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日本百名山大台ヶ原 |
【与八郎滝】 2段,落差40m 【隠滝】 隠滝吊橋を渡り,右に振り向くとこの滝が見える。落差15m。上から見ているので,吸い込まれそうである。 【光滝】 落差40m。岸壁が横に広がっており,堂々とした滝である。 【七ツ釜滝】 3段40m。大杉谷で随一の滝であろう。 15:30,桃ノ木小屋に到着。割り当てられた4人部屋の個室(4畳)は寝台車のようにこじんまりとし,天井が低い。壁の小さな窓から顔を出すと桃ノ木小屋吊り橋や宮川が眺められた。 食事前のひとときを食堂のテーブルでビールで乾杯する。部屋に戻ったところで風呂の利用可能の案内があり,汗を流そうと風呂場へと赴くと,すでに脱衣所は満員。しかしながら皆超高速入浴で,5分と入っているものはいない。それこそ汗を流すだけで,湯に浸かっては出ていくため,すぐに順番は回ってくる。 18時からの夕食はなかなか座席が空かずに,お盆を持ったまましばし立ちんぼう。やっと座ってもせわしく食べる。 ちなみに,僕は山小屋の給食制度には反対である。全国の山小屋は素泊まりのみにするべきである。以前,素泊まりを認めずに一泊2食でないと泊めない山小屋を経験したが,これは言語道断である。給食制度の反対の目的は,第一に登山者の淘汰である。このところ中高年の登山ブームで,どの山へ行っても人人人。都心の喧騒をさけて静かであろう山へ来たつもりでも,集団中高年のパーティー(特に女性)が騒いでいる。また山小屋の設備に期待して,スニーカーに手提げ姿の輩もよく見かける。山に来るなら衣食くらい担いで来て来るべきである。そして自然保護。大量の給食は大量の残飯と排水を伴う。これが自然によろしいわけがない。少々脱線しましたが,山行記に戻るとします。 部屋で雑談しているうちに外は暗くなり,窓の外を見やると光害の無い谷間の夜空に星が輝いていた。ぎやまんさんが金星だと思いこんでいる木星は煌々と輝いていた。 【鎖場1】 ●三日目 朝食は6時からであるが,たいていのパーティーは行程5時間の乗船所(この日の乗船所は第3乗船所)発12時の船に乗るべく,30分も前から行列をつくって待っている。我々は5分ほど前にならんだが,すぐに食事は受け取れ,座席も空いていた。 6:30,小屋を出ると天気は快晴,このあたりの標高は500メートル程度のため,日中は暑くなりそうである。小屋の目の前の桃ノ木小屋吊り橋付近は出発準備のパーティーでごった返している。彼らは朝食の前に何十分も行列待ちしている割には出発にもたついている。 【13.平等ぐら】 小屋から30分ほどで,巨大な一枚岩がそそり立つ平等ぐらが現れた。吊り橋からこれを見上げると足がすくむようである。 次に現れるのはニコニコ滝で,休憩所があり落ち着いて写真を撮る。猪ヶ渕で小休止,高千穂峡のように両岸を岩がせせり立っている。この先,ところどころ岩壁を削ったような足場の狭い鎖場があり,ぼけっと歩いていると真っ逆さまに崖の下へ落ちてしまう。 【猪ヶ渕】 【千尋滝】 8:00,最後の滝,千尋滝が見えてきた。滝の位置は遠く高い位置にあるが,落差160mの大杉谷最大の滝である。 何ヶ所か鎖場を抜け,エメラルド色に輝く宮川に沿って下っていくと,いつしか河原に出る。ここでザックをおろし,後続のぎやまんさんを待つ。ユーサンに続き,僕も川の水で顔を洗う。ひんやりとして気持ちがいい。 【鎖場2】 9時30分に宮川発電所へ到着。ここからアスファルトの林道を第3乗船場まで歩く予定であったが,そこには乗合タクシーが待ちかまえていた。松坂駅まで連れていくとのこと。料金は,船+バスよりも数百円高いだけで,時間的に2時間以上の短縮となる。明日の仕事を控え,今日中に奈良に停めている車で横浜へ帰ることになっている僕にとって,この2時間短縮はなんとも心強い。後続のぎやまんさんが到着したところで,タクシーを利用することに決定。タクシーには定員の8人がそろったところで出発。 タクシーは途中バス停のある大杉で休憩。ユーサンは相変わらずビールを買い求めて飲んでいる。乗船場に船が停泊しているのが見えた。どんな船か興味深かったが40人は乗れそうなモーターボートであった。 2時間ほどで,松坂駅に到着。特急電車の到着まで時間がなかったので,駅のうどん屋で松坂うどんを立ち食いする。さらに電車の中で,途中食べることのなかった桃ノ木小屋製の弁当を平らげる。 14:30,車を停めている奈良のユーサン家には,あっと言う間に着き,早々に横浜を目指す。GW最終日の割に渋滞は全くなく,20時過ぎに自宅へ到着。 今回の山行は大台ヶ原を目指したものであるが,すっかり観光地化された大台ヶ原よりも,むしろ後半の大杉谷の方が見応えがあった。深田久弥は大台ヶ原山の項の最後の3行にこう記している。「これ(大杉谷)は見事な谷である。次々とすばらしい滝が現れる。水は清く豊かで,渓谷の美しさは日本中で屈指といっていい。」 我々が訪れたときは前日に大雨が降ったせいか,滝の水量はかなりのものであった。どこかの日本3大名瀑布は観光客相手に上流のバルブで水量を調整しているようであるが,日本一の降水量を誇る大杉谷の滝は豪快そのものである。また登山道は宮川に沿っており,終始渓谷美が絶えることなく,ほとんどの滝がルートから外れることなく望むことができる。 **資料** 大和上市駅−大台ヶ原(バス)\2,030+\200(荷物料),大台荘一泊2食\6,180,桃ノ木小屋一泊2食+弁当+個室\8,400,宮川第3発電所−松坂駅乗合タクシー\3,500
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