上海放浪2002 |
上海3日目。一晩中鳴り響いていた爆竹であるが、元旦の朝にはすっかりおとなしくなった。と言いたいところだが、残り物の爆竹を処分するかのように、散発的に音が聞こえる。この日はツアーの行動はなく、一日フリーである。上海人のフェイ小姐を呼び出して市内をエスコートしてもらうことにした。シェイさんとファンさんは別の上海人と会うことになっていた。 ホテルに現れたフェイ小姐は親戚の大娘を連れてきた。何と日本の知人にそっくりだ。どうやら妹(姉だったかな)らしい。ということは、この小姐は日本の知人と親戚と言うことになり...なんだか複雑な関係である。 ということで、3人でタクシーに乗り外灘へ。外灘へ来るのはこれで3度目。今回の目的は、浦東に渡る地下鉄に乗るためだ。これは昨年に開業したばかりの観光用の地下鉄である。その名も「外灘観光隧道」。日本のバラエティー番組でこの地下鉄を紹介していて乗ってみたかったのである。地下のチケット売り場は人でごった返していて、ものすごい人気だと思ったが、改札を通ると空いていた。料金は片道20元(320円)。普通の地下鉄の初乗り料金の10倍なので、そこそこ高い。20人ほどが乗れそうなゴンドラのような乗り物に乗り込むとすぐに発車。前の方に陣取っているので、トンネル内のイルミネーションがよく見える。このトンネルはこのイルミネーションが特徴。 【浦東の一こま】 外灘へ行く船着き場の近く。広場には怪しい露店がでている。このあたりもいずれ高層ビルが建ち並ぶのだろうか。 浦東に渡って地上に出る。今度はまた外灘に引き返すのだが、同じ乗り物では芸がないので、船で戻ることにする。その船の乗り場がよく分からないのでタクシーに乗って、行くことにした。タクシーが着いたところは浦東でもまだ開発されていないようなところで、空き地や建築中のビルが多い。船着き場のまわりでは、例のごとく怪しげな食べ物が売っている。ゆで卵やら焼いた何かの肉など。食べたい衝動に駆られるが、間違いなく腹をこわすだろう。船のチケット(トークン)売り場はまたしても人だかりで、列を作る習慣のない中国人が我先にチケットを買い求めている。ここはフェイ小姐にまかせてトークンを手に入れる。料金は5角(8円)、1元以下の料金に初めてお目にかかった。 黄浦江を渡る船は上海市民には貴重な足で、利用客が実に多い。向こうから渡ってきた船には乗客が満載しており、出口からどっとはき出されている。彼らが下りるまで我々は檻の中で待つかたちになる。いよいよ乗車体制が整い、檻のゲートが開くとこちらもどっと乗り込む。船の中は座るような設備はいっさい無く、皆立ちん坊。まるで京浜東北線や山手線のラッシュ時の席のない車両だ。大量輸送には合理的だ。しかも8円の料金なので文句も言えない。 【南京路の一こま】 キビジュースの露店にて。おやじがキビを機械に入れてハンドルをぐるぐる回すと、キビが液状に出てくる。 外灘からは南京路まで歩き、買い物と昼食を取ることにする。途中、露店で地図を買う(5元)。もはや南京路あたりで迷うこともないだろうが、後々役に立つだろう。南京東路は人通りが多く、歩道からはみ出した人が車道を歩いている。その混んだ歩道で、サトウキビをごりごり絞って飲ませる露店があり、フェイ小姐がおごってくれた。飲むとほどよく甘くなかなか美味しい。 次にVCD屋へ入った。最近中国でもDVDが登場したが、もともとはVCDが普及している国である。うちのDVDプレイヤーもVCDに対応しているので、中国語の勉強の為にいくつか買うことにした。中でも掘り出し物?は、「天空之城」というVCD。これはもちろん宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」である。中国語吹き替えで中国語字幕も付いているので勉強には最適である。また米国映画の「身代金(RANSOM)」、こちらは吹き替えで字幕はなし。そのほか中国の映画やら計6枚ほどを購入。117元。 南京路には様々な店が並び、次に入ったのは、上海国華瓷器商店。ここでは景徳鎮の食器を購入。計70元のところを値切ったら63元になった。もっと大量に買い込みたかったが、日本へ輸送するのに割れてしまってはいけないので、控えめにした。帰国するときはタオルにくるむなどして気を使った。 けっこう歩いて腹も空いてきたところで、昼食にすることにした。北京ダックを食べられる店に行くことになり、目的の店に行ったのであるが、2時で終わりであった。次の店もダメで、南京路の裏手の方にいくと3件目でようやく入ることができた。人人菜館という店で客も多い。道路側の壁は水槽が縦横に並べられ、魚やエビ、蟹が泳いでいる。また一方の壁にはチキン?がぶら下がっていた。この店では北京ダックは扱っていないようで、肉や野菜を5皿ほど頼んで3人で平らげる。食事も終わりかかった頃、連れの知人(日本在住)が偶然にもこの店に入ってきて挨拶する。こんな上海の裏道の薄汚い店で出会うというのはまさに世間は狭いと言うことで、奇遇なことである。別れ際に、お土産のお酒をもらってしまった。謝謝。 タクシーでホテルに戻り、ホテルの中の喫茶店で珈琲をすする。ここの珈琲は一杯50元ほどする。外で中華料理をたらふく食べてもこの料金には及ばないので、この料金の格差は理解しがたい。タクシー乗り場でフェイ小姐らを見送り、一人でホテルの前の通りである南京西路を散策する。ホテルの周りはあまり店などないが、東の方へ行くとにぎやかになってくる。昨年も来たことのある梅龍鎮華亭(伊勢丹)に入る。吹き抜けの店内には出店が並び、正月バーゲンセールだからか、客でごった返している。なにを買うでもなくひととおり見て回り、ホテルに戻る。 夕食はリー小姐(仮名)が案内してくれることになった。日本語の大学に通うリー小姐は日本語がうまいだけでなく、言葉遣いもすごく丁寧だ。日本人でもこれだけ綺麗に話せる娘はちょっといないと思うくらいだ。ファンさん、シュイさんと4人でタクシーに乗り、南京東路へ向かった。 【北京ダック】 中華料理の中でも北京料理の店に行かないと北京ダックは食べられない。北京ダックを一匹まるまる頼んでも200元程度。それほど食べきれないので、切り身を注文した。 案内された店は何と、昼に行き損なった燕雲楼ではないか。どうやらここは有名な北京ダックの店のようだ。店内は満席とまではいかず、すぐに着席。連日の中華料理であるが、飽きもせずに何皿も注文。もちろん北京ダックも注文した。上海の飲食店はほとんど中華料理であるのは言うまでもないことであるが、北京ダックがでる店というのはなかなか少ない。上海で北京ダックを食べるのはこれが初めてで、餃子の皮のようなものにレタスのようなものと北京ダックを載せ、味噌ダレのようなものを付けて食べる。 食後は南京西路のとあるデパートへ行き、3人で革靴を買う。もともと物価の安いところで、バーゲンをやっているのでさらに安くなっているようだ。代金を払っているうちに店は閉店時間となり、照明は暗くなり、エスカレーターも止まった。店を出てタクシーで帰ろうとするが、全くつかまらない。道にはタクシー待ちの客がたくさんいることが分かる。10分近く待ってもつかまらないので、地下鉄で帰ることにした。母親と合流したリー小姐と別れ、3人で地下鉄に乗ってホテルへ戻った。 ホテルでは昨年の上海行でも登場したソン小姐が待っていた。約束の時間を40分ほど過ぎていてご立腹だ。言い訳はシュイさんに任せる。ロビーの喫茶店でお茶した後、3人でタクシーに乗ってカラオケボックスの店へ行った。静安寺の近くでかなり大きい店だ。上海の繁華街には日本と変わらぬほど多くのカラオケボックスがあり、淮海中路には日本の店舗も進出していた。この日のカラオケボックスは大規模で、ホテルのような豪華さだ。各ボックス毎にトイレも付いている。歌える歌はもちろん日本の歌も大量にあり、比較的最近の曲もあるので、ほとんど日本のカラオケボックスで歌っているのと変わりはない。1時まで歌っただろうか、ホテルまでは歩いて帰った。 Camera:CANON Power Shot G2 or S10 続く |
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