神奈川県の山鎌倉古道(鷹ノ巣山・浅間山) |
久々に職場の仲間を引き連れての山行を行った。神奈川県内でも屈指の楽なコースを選んだのが、この鎌倉古道のコースである。803年の富士山の大噴火により従来の箱根越えの道が使えなくなり、新しく開通したのがこの鎌倉古道だという。かつては人馬が行き交った古道であるが、現在ではハイキングコースとして整備されている。
集合場所は小田原駅に9時50分。55分発の登山鉄道に乗るつもりだった。ところが待ち合わせ場所が曖昧であったため、小田急側の改札で待っていたのに対し、他の2人はJR側で待っていたようだ。しかし、携帯電話という便利な機器のおかげで、登山鉄道のホームで合流することができた。 登山口の湯坂路入口は小田原駅からバスでも行かれるが、登山鉄道というものに乗ったことがなかったので、あえてその登山鉄道にした。登山鉄道は箱根湯本から急勾配をぐんぐん登り、途中スイッチバックを何度か繰り返し高度を稼いでいく。 【湯坂路入口】 バス停湯坂路入口から小涌谷駅方面へ戻るとハイキングコースの入口となる 登山鉄道は小涌谷駅で下車し、駅前のバス停に向かうとちょうどいいタイミングでバスが来た。ほとんど客の乗っていないバスの最後部座席を陣取り、10分ほどの湯坂路入口で下車。登山口はバス停を少し戻ったところとガイドブックには書かれていたが、バスの運転手も親切に教えてくれた。バスが走ってきた道を100メートルほど戻ると鎌倉古道の道標があった。 鎌倉古道入口でハイキングコースの案内板をながめていると、地面が揺れている、地震だ。屋外で地震を体験するのは珍しいことだ。さすが温泉地と思っていたが、後で夕刊を見ると東京の地震であった。10:30。 案内板によると近くに滝があるようだ。予定のコースから離れることになるが、時間的にかなり余裕があるので、寄っていくことにする。鎌倉古道から右手に分かれ、100メートルも行かないうちに、右と左に分かれている。標識は畑宿へ向かうことを示すのみで、滝がどちらなのかはわからない。O氏の左との判断で、そちらの方へしばらく降りていくが、向こうから来た人に滝のことを尋ねると、彼らもまた滝を求めてきたが、ないので引き返してきたという。先ほどの分岐までとって返し、今度は右手の道を降りていく。右側からは沢の流れが聞こえるので滝は近いと思いつつかなり下ったところでまた分岐。標識は何もない。沢があると思える右手に進むと沢に架かった丸太橋にでる。このあたりは滝のある気配はない。橋を渡って少し先に行ったが、沢から離れていくので引き返すことにする。最後の分岐を左手に行ってみるが、やはり何もないので結局スタート地点のハイキングコース案内板の所へ戻る。このときの登り坂が今回の一番の難所だった。 【湯坂路】 湯坂路入口から入ってすぐの所。広く切り開かれた道は気持ちがいい 鷹ノ巣山までの道は防火帯として左右が綺麗に切り開かれているので、陽光が差し込み気持ちがいい。緩斜面を10分ほどで鷹ノ巣山にたどり着く。北条氏がたてたという城の痕跡はないが、眺めはよく箱根外輪山が見渡せる。 【鷹ノ巣山からの眺望】 【石畳】 急坂の石畳は必ずしも歩き易いとはいえない 鷹ノ巣山からの下りは短いが急なところがある。また昔の箱根越えの面影である石畳が残っているが、滑りやすくなっている。 コルの部分で千条ノ滝への分岐があった。先ほど飛竜ノ滝へ行くときすれ違ったグループが「今度は確実にある」と、確信してそちらへ向かっていった。われわれは下り20分の道をピストンする気にはならず浅間山へ向かった。 程なく着いた浅間山(せんげんやま)の山頂には三角点とテーブルがある。周りの草原はすっかり枯れているが、乾いているのでそこに腰掛け昼食にする。 【小田原方面の眺望】 浅間山から箱根湯本までは、ひたすらの下り道となる。広い登山道の左右は桜並木が続く。春にくると緑や桜でさぞ綺麗なことだろう。湯本に近いあたりの石畳は落葉のために更に滑りやすくなっている。 【箱根湯本の下山口】 鎌倉古道の終点は国道1号にぶち当たる。そこは現代の箱根越えの道ではあるが、もはや人馬が歩くこともなく、車だけが何の苦もなく猛スピードで走り去っていく。 | ||||||||||||||
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