●失われた道、星穴岳〜脆い岩にかすかな踏跡を辿って
【山 域】妙義山
【山 名】星穴岳
【日 程】1998年4月5日
【天 気】晴れ
【入下山地】中之岳神社
【メンバ】藪内・稲葉・稲葉夫人・白石・池田・福島
【コース】中之岳神社(9:00)−見晴台分岐(9:19)−鎖場−ザイル2回−西岳(10:30)/10:50−
北面側壁下降(40m)−ザイル−昼食−ザイル下降−ザイル−コル(13:20)/撤退(14:20)−
(17:05)西岳−(18:20)中之岳神社
妙義山は全山が岩山で、岩場鎖場が多い。標高こそ1000mそこそこであるが、足下ははるか下まで切れ落ちていて高度感はある。星穴岳は表妙義の西方にあり、マップ上にルートはない。かつては山頂にむけてのルートはあったようであるが、登山道の崩落が激しく、そのほとんどを占める鎖も全て撤去されて一般登山者は進入禁止となっている。
駐車場で装備の点検 |
上信越自動車道松井田妙義ICから妙義道路へ。中ノ岳神社付近の駐車場手前にはゲートがあり、9時まで閉鎖されているようだ。何台かの車がゲートの前で開くのを待っている。
9時少し前に係員がやってきてゲートが開いた。待ち時間は1分ほどだったので、タイミングが良かった。登山口の大駐車場は反対側から入ってきた車が何台か停まっていた。
駐車場前にそびえる岩峰 28mmレンズで3枚連結 |
早速装備を広げて点検と分担を行った。
大駐車場から、中ノ岳神社の社殿を右の方へすすみ、良く整備された階段を登っていく。ひと登りし、右手に20mほどいくと見晴台にでる。ピークの岩の上に立つと、家一軒は裕に飲み込む巨大な石門群が見える。
来た道を少々戻り、尾根を登っていく。道は左右に分かれ、左手には以下の看板が。
その看板の示す縦走路の方へ入る。踏み後はしっかりあり、尾根を登り切り、巨岩を回り込むように左へトラバース。まだ雪の残る岩の間のクサリ場(これが最初で最後のクサリ場であった)を登っていく。登り切って右手が中之岳へ続く表妙義の縦走路。そして左手が今回目指す星穴岳への失われたルートである。その左手には再び一般登山者入山禁止の警告の看板が出迎えてくれる。
登山者の皆さんへ
これより先の縦走コースは、一般
の登山参道と異なり、岩場を登る
ルートです。稜線のクサリ場の通
過には、岩登りの経験と知識を必
要とする危険な箇所がありますの
で、一般登山者の方は入山を遠慮
してください。
ザイルを使って。駐車場が後方に見える |
初めの岩場の難易度は低いが、左右は遙か下まで切れ落ちている。用心のためロープを使う。トップはY氏。登り切ったところから、先ほどの駐車場が望め、高度感がある。
星穴岳(ここからは穴は見えない) 右手奥には浅間山が見える |
西岳の山頂からの眺めは良く、星穴岳が一望できる。しかし位置的に穴は見えない。後方には雪をかぶった浅間山が見える。
西岳で小休止 |
今回最大下降(40mほど) 下りきっても足場は悪い 右上から左下の方へ降りていった。 |
西岳を越え、行き詰まったところで、右側へ下降する。下まで50メートル以上はありそうで、ザイル一本では足りない。50メートルザイルを2本つなげ、懸垂下降する。ここが初めて実戦での下降。途中木の枝に引っかかったりするが、なんとか着地。着地点は雪があり、依然傾斜もある。20メートル離れたところで後続を待つ。
下降の後は、道らしい道がない。雪や枯れ葉が積もる足場を進んでいく。
道無き道をトラバース |
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