山頂直下は山がない!削られる石灰の山
|
日程 |
2005年04月17日(日) |
山名 |
武甲山 |
山域 |
埼玉県 |
入/下山地 |
二の鳥居 |
メンバー |
石川、福島 |
横浜(6:50)=池袋(7:36)=(8:58)正丸駅=二の鳥居(9:35)−(10:14)妻坂峠−(11:13)大持山−小持山−(12:49)武甲山−表参道−(14:17)二の鳥居=横瀬駅(15:10)=池袋=横浜
都区内フリー(横浜駅):\1140
池袋−正丸:\650
横瀬−池袋:\720
秩父のシンボルともなる武甲山は、セメントの原料である石灰岩の採掘により徐々にその姿を変えている。採掘の過程で、すでに峰が丸々一つ失われており、昭和30年代までは見えなかった裏山が今では正面に見えている。かつて1336メートルあった標高は、現在1295メートルである。また、信仰の山でもあり、秩父の弥生時代の住居跡に武甲山を意識した祭祀跡と見られる遺跡が発掘されたという。現在の山頂には、御嶽神社の立派な社殿が建っている。
その武甲山へ行ってみようと思ったのは、日本二百名山であるということや、仲間内でも良く話題にのぼる山だからである。ちょうど山仲間に誘われたこともあり、電車で出かけることにした。横浜から東京経由の埼玉は車を運転する気になれないからだ。
1月に伊豆ヶ岳へ行ったときと同じ時間に自宅を出発し、同じルートで西武秩父線に乗り継ぎ、正丸駅で降りる。秩父線はやけに混んでいたが、車窓からは満開の山桜が見ごろで、それ目当ての乗客だろうか。正丸駅前では今回一緒に歩く、石川さんが待っていた。
石川さんの車に乗り、国道299号を秩父方面へ向かう。芦ヶ久保を過ぎたあたりで左折し、生川に沿った道を進んでいく。石灰採掘の工場を通り抜けて、生川の二の鳥居の近くに車を停める。
10分ほど歩くと水場があり、山仕事のおじさんが水を汲んでいた。道の脇にはときどき片栗の花が咲いている。たいていは一輪だけで、群生はしていない。
歩き始めて30分余りで妻坂峠に出る。4人組のおばさんが休憩しており、写真撮影を頼まれた。カメラはEOS kissの銀塩板だった。以前同じものを使っていてなつかしい。
【妻坂峠】
ここまではウォーミングアップ。一体の地蔵が出迎えてくれる。
妻坂峠からは尾根の登りを一直線に大持山に向けて登る。防火帯となっているのか、幅広く木が切り払われて、日光が直接降り注ぐ。紫外線対策をしていなかったので、気になった。
大持山(1294.1m)頂上には、横瀬町が立てた道標がある。子持山まで約40分、武甲山まで1時間50分となっている。武甲山は目の前に見えており、それほど時間がかかりそうもないが、かなり下ってから登り返すことになるようだ。ここの標高は武甲山とあまり変わらない。
【小持山】
標高1,269m、武甲山までコースタイムで70分。
小持山の少し手前には、アセビの木が白い釣り鐘状の花をたくさん付けていた。狭い小持山頂上(1269m)では、多くの人が休憩していた。武甲山がいよいよ近くなるが、山頂から一本の道が真っ直ぐ下の方に延びているのが見える。
小持山から少し下ったところで昼食休憩にした。石川さんはいつものカップラーメン、私は、コンビニのおにぎりだ。
【小持山からの武甲山】
小持山から見る武甲山は石灰採掘の影響をほとんど感じさせない。
道を下りきったところが、シラジクボで、標高は1088m。ここから標高差200mあまりを登り返すことになる。休み無くぐいぐい登り、ときどき振り返っては大持山、小持山の姿を見る。
山頂の手前に御嶽神社がありその周りが開けているので、そこで休憩して食事をしている人も多い。神社の裏に回り込むと、武甲山の山頂となる。山頂は柵で囲まれていて、外側は採石現場となっている。
【武甲山頂上】
山頂からは、秩父の町並みが一望できる。方位盤があるが、銅板がくるくる回るので正しい位置を示していない。
武甲山は石灰岩の山で、その北面は採掘が進み、山がおおいに欠けているという。我が故郷の山にも香春岳というものがあり、これも石灰岩の山で、山が山頂から半分欠けているのである。
【武甲山頂上からの眺め】
目の前を秩父の町並みが広がるが、真下は石灰採掘で大規模に山が削り取られているのが分かる。
武甲山山頂からは、表参道を降りていく。大杉の広場と言われているところには、太く高いスギが何本も生えている。スギの丸太橋を渡り、不動滝の水場で顔を洗う。車道に出て、更に下っていく。ワサビを養殖しているような水槽の横を通り抜けるとまもなく駐車スペースに到着する。休憩込みで4時間40分ほどのハイペース山行であった。
石川さんに横瀬駅まで送ってもらった。横瀬駅近くの羊山公園では芝桜がちょうど見ごろで、この日は芝桜まつりの開催日だった。駅前は観光客であふれ、特急列車は全て満席。普通列車もすし詰め状態だった。飯能までの小一時間立ちっぱなしで、乗り換えてようやく座ることができた。
登山道の植物
|
【ハシリドコロ】
ナス科
猛毒を持つ
|
|
【カタクリ】
ユリ科
白花の鱗茎からとるのが本当の片栗粉だそうだ。
|
|
【アセビの花】
ツツジ科
有毒植物。葉を煎じ、殺虫剤になる。馬酔木。
|
|
【ニリンソウ】
キンポウゲ科
|
●立ち寄り観光
武甲山資料館は秩父のセメント産業を支えてきた武甲山の歴史を後世に伝えるため、桜の名所として知られる羊山公園の一角に建てられている。石灰採掘による山容の変貌を紹介するパネルを中心に、周辺に生息する動物達の剥製などが展示されている。
【武甲山資料館】
〒 368-0023 埼玉県秩父市大宮6176
TEL:0494-24-7555,FAX:0494-24-7555
開館:9:00〜16:00
休館:火曜日(祝日の場合は開館)
料金:200円
Camera:SONY DSC-U30
|