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大満寺山-島根県の山

大満寺山-島根県の山

隠岐諸島の最高峰は密林の中

隠岐諸島の最高峰は密林の中

【崩落地に立つ樹齢800年の乳房杉】

崩落地に立つ樹齢800年の乳房杉

山行情報
日程 2016年5月28日(土)
山名(山域) 大満寺山(西日本
入/下山地 中谷駐車場
メンバー 単独行
行動時間 2時間52分
歩行
距離
登り
下り
歩数
6.1km 719m 719m 20,000歩
大満寺山マップ

コース(タイム)

中谷駐車場(12:29)-(13:42)大満寺山(13:52)-(15:21)中谷駐車場

 《山概略》
 大満寺山は島根県隠岐諸島の最高峰の山。隠岐諸島は島前・島後に別れ、大満寺山があるのは島後の方。隠岐の島町にある。

 《アプローチ編》
 羽田から米子までの航空券は安いうちに早々と予約していた。今回の山旅の目的は、大満寺山登山と、足立美術館の訪問である。二泊三日で計画したが、これがなかなか難しく、空港から島へ上陸するまでの効率が良くないことが分かった。米子空港から七類港までバスが無く、タクシーで移動することになる。
 出発当日、6:55発のANA381便は、前日に起きた大韓航空機の自爆事故の影響で出発が遅れることとなり、米子空港へは30分ほど遅れて到着する。急ぎタクシーに乗り込み、七類港に到着したのは9:00出航の直前だった。その後は順調で、西郷港からはレンタカーで登山口へ向かった。その際、銚子ダム側の林道は通れないので、反対側の東側の海岸線を走って林道に行くよう勧められる。
 当初は大満寺山下の林道に路駐して歩くつもりだったが、少し離れた中谷駐車場に駐めて長めに歩くことにした。こちらの駐車場はトイレもあり、登山口としてはしっかりしている。林道は走りやすく、駐車場までは舗装されていた。


中谷駐車場の登山口
【中谷駐車場の登山口】
   振り向くとトカゲ岩
【振り向くとトカゲ岩】

 《大満寺山へ》
 駐車場にはすでに何台かの車が駐まっていたが、大満寺山へ行く人はいないようだ。観光気分でただ来てみただけという感じの人たちだ。大きな案内板があり、それを確認すると、この中谷駐車場からはトカゲ岩方面と鷲ヶ峰方面の二つの登り口がある。大満寺山へは鷲ヶ峰方面に進めば良いようだ。
 登山口から一歩中にはいると、ジャングルのように緑が生い茂っている。道は遊歩道として良く整備され、さっそく階段状の坂を登っていくとトカゲ岩展望地点と書かれたプレートが何カ所もある。そこで振り返ると岩肌を巨大なトカゲが登っていくような姿を見ることができる。中にはその岩を見るための立派な櫓まで立っていた。

杉の巨木に圧倒される
【杉の巨木に圧倒される】
   神原高原に到着
【神原高原に到着】

 トカゲ岩が見えなくなり、杉林の中を登っていくと、鷲ヶ峰と屏風岩の展望台がある。展望台からは正面に荒々しい岩肌が見えるが、密度の濃いい緑の森から岩がはい出てきているようだ。展望台には岩の生い立ちなど詳しい説明文がある。
 展望台からさらに登りが続く。杉の巨木に圧倒されるが、このあたりの杉は植林ではなく、天然杉らしい。ひと登りして稜線に出て少し進むと神原高原という広場に到着する。ここから道は鷲ヶ峰とトカゲ岩の二手に分かれる。自分が行きたいのは大満寺山であるが、その文字はどこにも書かれていない。ベンチに座ってしばらく悩んだが、トカゲ岩方面ではなさそうなので鷲ヶ峰方面へ行くことにした。
鷲ヶ峰への階段
【鷲ヶ峰への階段】
   鷲ヶ峰の三角点
【鷲ヶ峰の三角点】

 鷲ヶ峰へ向かうと鉄製のハシゴが現れる。それを登るとロープのある岩場で、その次に再びハシゴがある。途中、様々な花が咲いていて、それらを撮りながら進んでいくと道標の杭が何本も立つ場所に出る。四等三角点があり、どうやらそこが鷲ヶ峰の山頂らしいが、ここからさらに奥へ行ったところの屏風岩が鷲ヶ峰の山頂と勘違いしていた。それで先ほど神原高原で迷ったのだ。
 三角点地点からは道が二つに分かれ、屏風岩方面と大満寺山方面になる。ここで初めて指導標が大満寺山を示すようになる。大満寺山へ行く前に少し屏風岩方面に進み、眺めが良いところまで行って険しい柱状節理の岩肌を眺めた。

柱状節理の屏風岩
【柱状節理の屏風岩】
   林道に出る
【林道に出る】

 三角点から下っていくと、ピンク色のシャクナゲが多く咲いている。オキシャクナゲという固有種らしい。案内板や指導標が充実した細い道を進んでいくと林道に出る。ここは大満寺山に一番近い登山口だが、駐車スペースは路肩に数台程度しか駐められない。あまり訪れる人も多くないだろうから気にする必要もなさそうだが。この登山口にもハイキングコースの案内板がある。

原生林の中を進む
【原生林の中を進む】
   大満寺山山頂に到着
【大満寺山山頂に到着】

 道路を挟んで反対側に大満寺山の登り口があり、さっそくそこを登っていく。落ち葉の道で、このあたりも良く整備されている。途中、木の幹に巣箱が架けられている見られたがヤマネの巣箱だろうか、以前八ヶ岳で調査したときの巣箱と同じものであった。緑の中の道を登っていくと、四角いコンクリートの台座のようなものが見えてくる。そこが大満寺山の山頂(607.7m)である。

山頂からの海は霞んでいる
【山頂からの海は霞んでいる】
   林道に降りる
【林道に降りる】

 山頂からは南側の展望が開けている。天気が良ければ、西郷港や本土が見えるのだろうが、この日は霞んでいたため、かろうじて西郷港が見える程度だった。今回のコースで展望があるのはここだけである。台座は隠岐水産高校が建てたもので、方位盤になっている。その方位盤の横にはひっそりと一等三角点の標柱がある。
 山頂で少し休憩してから、南東の尾根を降りていく。指導標は「登山口(乳房杉側)0.9km」と書かれている。道は左右をロープで仕切られ、その中の道を下っていく。しばらく歩くと道は有木側登山口との分岐があるが、左手の乳房杉側へ進む。この有木側登山口というのは事前調査では出てこなかったのだが、あまりメジャーではないのだろう。
推定樹齢800年の乳杉
【推定樹齢800年の乳杉】
   大満寺山の登り口
【大満寺山の登り口】

 密林の中を下っていくと杉林となり、やがて林道に合流する。林道を左に進み、100mほどで左手に乳房杉が見えてくる。乳房杉は想像以上に神々しく、立派でかつ奇妙な形の杉であった。案内板によると、雪の重みで枝が折れないように上に向かって伸びているのだそうだ。もともとこの杉は岩倉杉と言ったらしいが、いつしか乳房杉になったようだ。
 杉の前で写真を撮っていると、林道を観光バスが登ってきた。どうやらこの杉は観光コースにもなっているようだ。バスから何人も人が出てきたので、こちらは退散した。林道を登り、先ほどの登山口に合流し、鷲ヶ峰経由の来た道を戻った。
 レンタカーを駐めた中谷駐車場に戻ると、そこにも観光バスが来ていた。こちらはトカゲ岩を見るためだろう。トカゲ岩まで登っていくのだろうか。
 車に乗り込み、まだ日没まで時間があるので、島の北の方まで寄り道してから西郷の宿へ向かった。翌日は朝イチのジェットフォイルで境港に行き、バスで松江まで移動して観光することになる。

《隠岐の島の風景》
隠岐の島の西郷港 ローソク岩 日本海が広がる
 【1.隠岐の島の西郷港】
 【2.ローソク岩】
 【3.日本海が広がる】
シャクナゲ 玉若酢命神社 カッパ公園
 【4.シャクナゲ】
 【5.玉若酢命神社】
 【6.カッパ公園】

Camera:CANON EOS 80D

NOYAMA
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