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ヌク沢左俣−山梨県 ヌク沢左俣−山梨県 三段260m幻の大滝を登る... 三段260m幻の大滝を登る... 【幻の大滝中段】
コース(タイム)横浜(20:00)=駐車場(6:12)−入渓点−大滝−(13:21)稜線−(16:35)駐車場=温泉(18:20)=(21:40)横浜
《山概略》 【ナレイ沢の橋】 渓谷の奥に、なれいの滝が見える。 ナレイ沢の橋を渡り、山岳指導所で入山届けを提出する。林道歩きは20分弱で、甲武信ヶ岳登山道入り口に到着する。林道は右手にも分かれているが、ロープが引かれて立ち入り禁止になっている。登山道はそのすぐ左にある。 登山道は戸渡尾根の近丸新道で、いきなり急坂である。しばらく尾根伝いに登り、道はトラバースしながらヌク沢に向かっていく。登山道の足もとには時々レールの軌道が見え隠れしている。昔トロッコが走っていたのだろうか。木材でも運んでいたのかと思ったが、下山後に見た林道の説明書きによると、ヌク沢上部で昭和28年頃からガラスの原料となる珪石が採掘されていたという。それは20年ほど続き、やがて珪石は安い輸入品に頼ることとなり、軌道は廃道となっている。その後30年経ちトロッコの軌道はほとんど土に埋もれていて用をなさない。もし屋久島のように残っていたらトロッコで登山、なんて夢があって良いのだが。 【登山道に残る軌道】 軌道は廃道から30年が経っているので、土に埋もれていたり土砂崩れで宙に浮いていたりしている。 登山道がヌク沢に合流すると、目の前に大きな堰堤が見えてくる。これを右に高巻いて越えるのだが、急坂で道が無く難儀する。堰堤の上は河原になっており、そこで沢装備にチェンジする。 いよいよヌク沢の遡上が始まる。すでに気温は上がっているので、今朝方心配したような凍える中での沢歩きは避けられそうだ。 しばらくは沢に浸かることもなく渡渉を繰り返しながら上流へと進んでいく。何度か堰堤を越えるが、そのたびに高巻かなければならない。立派な堰堤は、2号から4号まで確認できた。
4号堰堤を倒木をかき分けながら左に巻いて越え、小滝やナメを登っていくと二俣があり左に進む。今回のヌク沢左又の所以である。沢はやたらと倒木が多く、くぐったり乗り越えたりして前へと進む。 【倒木を越える】 深い渓谷は倒木が多い。 人気の沢だと言うが、この日、沢に入っているのは我々だけのようだ。 次の二俣の手前で小休止して、右俣へ進む。谷筋を歩いているとGPSの電波が取れないのか軌跡がかなりいい加減に取られている。下りも同じ道を歩くとルートが正確に取れるのだろうが、今回は周遊コースなので来た道を下ることはない。 【大滝下段】 大滝下段は100m。滝の右側を登る。青空と紅葉の美しい風景の中を緊張しながら登っていく。 大滝中段80mは、今回の沢登りのクライマックスである。水流の中を登っていくことになる。要所の岩にはハーケンが打ってあるようなので、ザイルを出して鶴岡さんがリードで登っていく。自分が二番手でプルージックで登り、最後にChifuさんがトップロープで登ることになる。大山さんは右手の草付きを登っている。 大滝中段のテラスで一息ついて下流を眺めると、富士山の姿が確認できた。また、車道も見えているので、車道からこちらも見えているはずだ。なぜ幻の滝なのだろうか。 【大滝上段】 大滝上段は80m。左側の草付きをフリーで登っていく。滝の上部の水流は細くなり右側の岩を登る。 大滝を登り切り、一安心して休憩。道々少しずつ食べた食料の残りを食べ尽くす。側には小さなサンリンソウが一輪だけ咲いていた。この日は咲いている花は少なく、撮影したのはこのサンリンソウだけだった。もちろん花の名前は大山さんに教えてもらった。 休憩を終え遡上を続ける。なめ滝が続くがもう難しいところはない。水量もだいぶ少なくなってきた。水流が無くなったところで沢靴を履き替えたが、その先にはまた水が流れていた。しかしそのまま登り続ける。 源頭部を越えると沢はガレ場になり、大きな岩をかき分けながら進む。落石の危険がある場所だ。やがて樹林帯に突入する。道は付いていないが上へ上へと行けば稜線と合流するはずだ。 【サンリンソウ】 【ツメの樹林帯】 GPSで確認すると100mほど先が稜線となっているが、急坂の樹林帯は登りにくくなかなか距離が縮まらない。 稜線に出ると、左に進む。時間があれば右手の破風山を踏んでおきたいところだが、これから4時間の下りが待っている。破風山は次回のお楽しみとなった。 近丸新道の下りは単調で、やたらと長く感じる。登りの沢では誰とも会わなかったが、下りでは登ってくる多くの人とすれ違う。3時間近くかけてようやく林道へ出た。 林道ではこれから西沢渓谷の観光だろうか、時々観光ハイカーがすれ違っていく。 道の欄干に乗り出して、柄の長い網でなにやら採取している人がいた。サルナシの実を採っているのだそうだ。サルナシの実はキウイのような味がするという。 温泉は、牧丘の「花かげの湯」へ。地元の銭湯という感じの温泉で、安くて快適だった。中央道に乗り、談合坂SAで食事にするが、こちらは多くのドライバーでごった返していた。しかし、道自体は渋滞もなく順調に相模湖ICで降り、橋本駅前で3人と分かれる。国道16号で自宅までは睡魔と戦いながら運転し、無事に帰宅した。
Camera:Canon IXY 910is
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