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東海自然歩道西里−牛妻 |
コース:西里(7:30)−ボードウォーク−(9:10)穂積神社−(9:53)薬師岳−(10:05)文殊岳−(12:15)牛妻東海自然歩道歩きの続きは、前回からちょうど一ヶ月後となった。前々回から前回が2年も間があいていたでの、割と早く再開したという感じだ。今回のスタート地点は、静岡市の西里。無料駐車場があることが分かっていたので、車で行くことにした。 いつものようにETC割引を綿密に計算して、厚木ICから入り、富士川SAで出場。サービスエリアから出るのは初めてで、ナビも対応していないため、出てから少し道に迷った。しかし、国道1号に向かい、あとはナビに従い西里へ向かった。 【ふれあいの広場駐車場】 やませみの湯が隣接している。露天風呂には地元の竹を使った「竹炭の湯」やお茶や薬草などの変わり湯もある。 ふれあいの広場駐車場は、寺尾島のバス停から西へ3分ほど歩いたところにある。朝7時ではほとんど車は停まっていない。この駐車場のすぐ隣には、西里温泉やませみの湯があるので、帰ってきたら入ることにしよう。駐車場を出て歩き始める。この日は曇りの予報だったが、太陽が出て日差しが暑い。道路脇には色とりどりの花が咲いており、写真を撮りながら進む。 道路と平行して左側にボードウォークという道があるようなので、そちらの方へ行ってみる。板を敷き詰めた遊歩道のことだった。できてどれくらい経つのだろうか、板は半ば朽ちかけていた。素人見にも板に防水防腐処理がされていないのが分かる。しかし味気ない舗装道歩きよりもこちらの方が気持ちよく、遊歩道のまわりは水辺で、トンボの幼虫の保護などをしているようだ。ボードウォークは650m続き、続いて竹林の中を通り抜ける。最後に吊り橋を渡って、黒川キャンプ場に出る。 【ボードウォーク】 興津川の支流の黒川沿いにある。 舗装道に戻り、しばらく道なりに歩く。徐々に登りになりながら、道は狭くなりつつも舗装道は続く。ひょっとして今日も一日中舗装道歩きかと思っているうちに、ようやく、山道との分岐が現れる。分岐にはベンチやテーブルと東海自然歩道の案内板もある。 山道は更に急坂が続くが、よく整備されている。左手には沢があり、勢いよく水が流れている。橋を渡り、杉林を抜けると再び舗装道に出る。穂積神社への指導標はなぜか舗装道の下りの方の右手を指している。これでは戻ってしまうと、それとは逆の登りの方へ進んだ。10分ほど歩くと穂積神社へ着く。先ほどの標識は、少し下ったところに霧積神社への山道の入口があったのかも知れない。 【穂積神社】 龍爪大権現を祭っている。戦前は武運の神として参拝人が多く訪れた。現在は、再建された本殿とそれを取り囲む樹齢数百年の杉の大木と共に静かに佇んでいる。 穂積神社では、ちょうど別の登り口から登ってきた夫婦と一緒になった。彼らは東海自然歩道とは関係なしに、単純に竜爪山を登りに来たようだ。旦那の携帯電話が鳴り出し、長くなりそうなので、先に進んだ。道は穂積神社の裏手に続いている。 穂積神社の裏手は杉の巨木が立ち並んでいる。山へ来ると杉の木を見ないことはないが、杉がこんなにも太くなることをつい忘れがちである。それほどここの杉は太い。根元の部分が一体化した夫婦杉の巨木も圧巻である。 【杉の巨木】 右手に急坂直登道の新道ができている。「ず〜っと苦しく、いや〜な階段道」と書かれている。鉄製の階段が上の方へ伸びている。写真を撮るために数b登ったついでに、その新道(階段)を登ることにした。階段は意外と長く続き、それが終わると文殊岳まであと0.8kmの標識。そこから10分ほどで稜線に出る。右手が俵峰4.5km、左が竜爪山となっている。指導標には温度計がぶら下がっており、18度を示していた。ベンチには2人組の女性が腰掛けており、ここからは富士山が見えると話していた。しかしその見えるべき方向はまっ白で何も見えない。 【見晴台はまっ白】 稜線に出たところ。右に行くと俵峰4.5km、左が竜爪山の薬師岳0.1km。 稜線は緩やかな登りで急に楽になる。すぐに薬師岳の頂上に到着する。あたり一面杉だらけなので、あまり頂上という気がしない。薬師像だろうか、石像の祠があった。ここでは写真だけ撮って通過した。一度下って、登り返すと次のピークである文殊岳の頂上に着く。ここにはベンチやテーブルが多く配置され、休憩適地となっている。東の方が開かれており、眺めが良さそうだが、やはりまっ白で何も見えない。 【薬師岳山頂】 薬師岳(標高1051m)。薬師岳とこの先の文殊岳を総称して竜爪山と呼ばれている。日本武尊とのゆかりもあり、古くから信仰の対象としても人々に親しまれている。 文殊岳頂上から下り一辺倒で下界まで下りるのかと思いきや、まだ次のピークである若山を越えなければならなかった。その登り口には巻き道ができており、「急斜面を横切る危険な道」と恐ろしいことが書かれている。その言葉を恐れたわけではないが、東海自然歩道の正当な道を選んで若山へ向かった。 【文殊岳山頂】 文殊岳(標高1041m)。山頂には石仏や祠が点在し、古くからの霊山の歴史を感じることができる。見晴らしがく、日本平、駿河湾、伊豆半島、南アルプスを眺めることができるらしい。(この日は何も見えなかった) 若山の頂上はボケーッと歩いていたら通り過ぎてしまいそうな頂上らしくない杉林の一画にある。指導標の「ここは若山山頂標高844Mです。」に気づいてようやくそこが山頂であることが確認できる。若山山頂を通過し、いったん鉄塔のある開けた場所に出る。しかしまたすぐに杉林の中となり、斜面を下っていく。指導標は、曙橋や牛妻を指しており、道なりに下っていく。文殊岳までは人も多かったが、文殊岳から牛妻へは全く人に会わなかった。 道がアスファルトへと変わり、目の前一面に茶畑が広がる。ちょうど茶摘みの時期は終わったのか、茶の葉は青々と茂っているが、新芽は綺麗に刈られている。茶畑の向こうには安倍川が左右に広がっている。茶畑のつづら道を下り、牛妻の集落の中へはいる。ふと振り向くと、「クマ出没注意」の看板があった。 【茶畑と安倍川】 安倍川は上流に日本三大崩れの一つである大谷崩れをもつ日本屈指の急流河川。餅をきな粉で包んだ安倍川餅は古くからの名物で、徳川家康が命名したとの説もあるようだ。 牛妻の集落の一画に福寿院がある。竜爪山をご神体とし、400年の歴史を有する古刹で、「東海自然歩道十二支観音」の一番札所として観音堂に十二支観音が祭られているということだ。中へ入ろうと思ったが、ちょっと入りにくい雰囲気だったので、入口からのぞき込むだけで、その場を去った。 集落を抜けると、安倍川沿いの車道へ出る。目の前の長い橋が曙橋だろう。東海自然歩道はその橋を渡ることになるが、今日はその橋の手前で終了。近くに牛妻坂下のバス停があるので、そこで静岡行きのバスを待つ。バスの本数は比較的多く、1時間に2本以上ある。運良く5分も待たずにバスは来た。 バスは静岡駅行きであるにもかかわらず、駅前には停まってくれない。最寄りの停留所は伝馬町らしく、車内アナウンスをよく聞いていないと、あらぬところへ連れて行かれそうである。伝馬町で下車し、人の流れに従い駅の方へ向かう。静岡駅からは熱海行きの東海道線に乗り、興津駅で下車。この駅は以前来ており、バスに乗って前回のゴール地点へ向かうことになる。駅前のバス停に行くと、但沼車庫行きのバスがタイミング良く来た。 【但沼車庫のツバメ】 但沼車庫でバスを待っていると、雛の鳴き声が聞こえてきた。見上げるとひさしの下にツバメの巣が出来ていた。小さな巣にあふれそうな6匹以上の雛が親鳥のエサを待っていた。 但沼車庫から大平行きのバスは連絡しておらず、30分待ちとなった。寺尾島の停留所で下車して、車を置いている、ふれあいの広場駐車場まで歩いた。駐車場横にある、かわせみの湯に入ったのは言うまでもない。露天風呂もあり、なかなか良い温泉であった。
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