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東海自然歩道

井出駅−西里


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行程のほとんどは車道、足にはまめ
日程 2006年05月03日-04日
山名 田代峠
歩行距離 初日:16.4km,二日目:15.2km
所要時間 初日:約6時間,二日目:約4時間
累積標高 登り:1978m、下り:1973m
アプローチ 横浜駅=井出駅
帰り 西里(寺尾島)=但沼車庫前=興津駅


カシミール3D使用(撮影データ:対地標高5,000m、撮影範囲50km、レンズ16mm、高さ強調1.0)
コース:横浜駅(5:47)=(7:51)富士駅(8:43)=井出駅(9:37)−(11:31)坂本−(13:40)徳間−(15:32)奥山温泉(5:00)−(6:14)田代峠−(9:01)西里(10:07)=(10:54)興津駅(11:01)=(13:19)横浜
【初日】
 前回、東海自然歩道を井出駅まで歩いたのは2年前。この調子だと東海自然歩道を踏破するまで何十年もかかってしまう。今回のコースをなかなか踏み出せなかったのは、山中に一泊が伴うからであった。テントを背負って長時間歩くのはなかなかつらい。しかもコースのほとんどが車道だからである。とにかく下見でもしておこうと、二日前に車で奥山温泉へ向かった。携帯電波(au)も入らない山奥のこの温泉は、立派な施設で、聞くと素泊まり宿泊もできるという。それで今回の決行が決まった。
 横浜駅5:47発の静岡行きは到着した時点で満員だった。大船あたりで運良く座ることができたが、その後も乗客が一気に降りる駅はなく、富士駅で降りるときも満員であった。富士駅では身延線に乗り換えるため、52分の待ち合わせ。その間、ホームのそば屋で天ぷらそばを食べる。
 井出駅で下車したのは私ともう一人、ザックを背負った人だった。その人は思親山の方へ歩いていった。私の方は富士川沿いの車道を歩く。中央分離帯もない車道はけっこう車の往来がある。左手には、富士川に架かる富栄橋と一昨日登ったばかりの篠井山が見えている。

【富栄橋と篠井山】

 富士川は、長野、山梨、静岡を流れ、日本三大急流のひとつ。源流は南アルプスの鋸岳。一級河川。


 富栄橋を渡ると交差点があり、横断歩道を渡ると東海自然歩道の道標がある。それに従い歩いていく。道なりに登っていくと右手に東海自然歩道案内図がある。南部町の天子岳から田代峠まで39.5kmの行程案内だが、この区間はあくまでも行政上の区切りであって、実際に歩く者にとっては、山頂から峠まで歩くことはあり得ない。駅から駅もしくはバス停までの案内にしてもらいたいものだ。車道をひとしきり登ると林道となる。竹林ではタケノコ掘りの作業を行っているようだ。竹林から杉林に変わり、上の林道と交差するところではシャガの群落が現れる。
 林道の道脇には色とりどりの花が咲いている。林道から舗装道に変わり、坂を下りきると集落に出る。集落に出るととたんに道が分からなくなる。この辺りには道標もない。持参した25000の地図でもよく分からない。道が分からなくても方角の見当をつけて歩こうと思ったところで、林道をトラックで下りてきた人に声をかけられた。どうもこの道は東海自然歩道ではないらしい。間違える人は多いそうだ。尾根の反対側に下りてしまったようで、途中曲がる道があるとのことであった。
 今度は左右を注意しながら、下ってきた道を登り返した。10分ほど歩いたところで確かに左に舗装道から山道への分岐があった。しかも道標はあるにはあるが分かりづらい。ガードレールの縁にマジックペンで矢印と「東海自然歩道」と書かれている。しかもその先は獣道のような所で、この道が本当に正しいのか不安になってくる。それでもしばらく下ると、しっかりとした東海自然歩道の道標が現れるので安心する。
 林道から車道に出るので、道標に従い右折する。坂本のバス停を通過し、四辻に清涼飲料の自動販売機を見つける。休憩がてら、水分補給のためにここで1本飲んでおく。四辻は直進し、右手に神社の鳥居と小山の上に携帯電話のアンテナが立っているのが見える。しかしauのアンテナではないようで、圏外だった。auは最終地点の西里までずっと圏外のままだった。

posi 144*96 posi 144*96 posi 144*96
 【シャガ】
 【コウゾリナ】
 【ムラサキケマン】

 振り返ると、山並みの奥にちょこっと富士山が顔を出している。このあたりの民家は鯉のぼりを泳がせている家が多い。7〜8mはありそうな竿に3mほどの立派な鯉の親子が風に吹かれて泳いでいる。都会では見られない光景だ。  鯨野の集落を通過し、道は山道に変わる。道標は徳間を指しており、道はすぐに林道となり、舗装道へと変わる。道の真ん中でヘビが日を浴びていた。車に轢かれたヘビはよく見かけたが、生きているのは今日初めてだ。アオダイショウだろうか、頭は持ち上げているがほとんど動かなかった。  左手に滝を見て、2体のお寺僧さんの前を通過。そして道祖神の石祠の前を通過する。徳間のバス停にトイレがあったのでそこで用を足す。橋を渡って、右の道に入る。ここからは一昨日車で登った道だ。奥山温泉目指してひたすら歩く。すでに足の裏にはまめができているようで、一歩一歩が痛い。  七ツ釜の滝入口と書かれた場所に到着。沢の方へ下りていく道ができており、下りてみた。沢には釣り橋が架かっており、そこを渡るとよく揺れた。吊り橋から見える滝が、七ツ釜の滝だろうか。
【七ツ釜の滝】

 福士川の中流の一つ目の釜から七番目にあることから七ツ釜と呼ばれている。
 七ツ釜の滝入口の周辺は駐車スペースもないことから、歩いてきたものだけが見られる滝だ。入口にはヒル防止の塩がタッパの中に入れて置かれていた。


 滝入口から歩くこと20分ほどで、町営のキャンプ場に到着する。一昨日来たときは人っ子一人いなかったこのキャンプ場も、この日は車とテントであふれていた。このキャンプ場に泊まったらきっとうるさくて眠れないだろう。キャンプ場を通り越すと、今日の目的地である奥山温泉に到着する。
【奥山温泉】

 素泊まりチェックインは16:30から。それまで日帰り客の車でいっぱいである。
 風呂に入って食事を食べたら、退屈しのぎに持ってきた文庫本を読むまもなくすぐに寝てしまった。

【二日目】
 前日、奥山温泉の受付で朝は5時に出ますと言ったら、まだ寝ているので勝手に鍵を開けて出発して下さいとのことだった。その通りに朝5時に奥山温泉を出発。外はもうすっかり明るい。駐車場奥の林道を進むとすぐに車止めのゲートがあった。  車止めを越えてもしばらくは、車が通れるほどの林道が続く。細島峠への分岐を通過。そして林道は左右に分かれる。一瞬どちらに行くのか分からなかったが右手に行く方はこれから造っている道のようだ。まさか田代峠を車で越えられるようにしているのだろうか。左手の道をしばらく歩くと東海自然歩道の案内板と珍しくベンチがある。  案内板からは山道で、崩落した橋を渡り、その先の水場で喉を潤す。さらにその先には山側にフェンスの張られた橋を渡る。河原のように石が転がるところを越えると田代峠となる。
【田代峠】

 1035m。山梨県と静岡県の県境。ここにある東海自然歩道の案内板は静岡県のもので、これまで見てきた山梨県のより詳しく分かりやすい。


 田代峠を5分ほど下ると小さな沢を渡る。そこには熊出没注意の看板。昨日から山を歩いている人とは一人も出会っていない。クマに襲われて動けなくなったら、発見されるまで何日かかるのだろうと多少不安になる。
 すぐ隣は林道があるようだが、しばらく山道を歩き、やがて林道を歩くようになる。西里まで10.4kmの看板。ウグイスの鳴き声が綺麗に聞こえる。鳴き声を撮りたくてデジカメの動画モードで撮影した。
 一ヶ所だけ今回最難関のカニの横ばいトラバース道を通過する。そこから10分ほどで車止めゲートを通過。このあたりは釣り屋の車が目立つ。ゲートから40分ほどで軍艦岩という高さ5mほどの岩が見えてくる。かあご石といって、弘法大師が駕籠を背負って腰を下ろした岩だそうだ。
 道の両脇が茶畑となる。さすが茶どころ静岡県である。綺麗に半円形に刈り込まれた茶の木が整然と並んでいる様はとても綺麗である。左手の興津川の向こう側に集落が見えてくる。大平のバス停の前を通過。バス停にはバスが停まっており、ちょうど運転手が自家用車で到着したところだった。20分後に出発するバスであるが、東海自然歩道は西里まで歩かなければならないので、西里でこのバスには乗れそうもない。次は80分後となっている。
 河内の大石の看板前を通過し、石沢川に架かる橋を渡る。先ほどのバスに追い抜かれて10分ほどで西里の寺尾島バス停に到着。

【寺尾島バス停前】

 この前の道を左に曲がった方向に東海自然歩道は続いている。行き止まりの道のはずだが、次々と車が入っていくのは温泉があるからだろうか。


 寺尾島のバス停で1時間ほど待つ。やって来たバスに乗るとあとは順調で、但沼車庫前で清水駅行きに乗り換え、興津駅前で下車。熱海駅行きの東海道線は5分後だった。熱海駅からは快速アクティーに乗り換え、横浜へ戻った。

【費用】
項目料金
JR(横浜駅−井出駅)\2,520
奥山温泉(素泊まり)\3,500
バス(寺尾島−但沼車庫前)\470
バス(但沼車庫前−興津駅前)\350
JR(興津駅−横浜駅)\2,210
合計\9,050

Camera:Panasonic DMC-FX9

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