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東海自然歩道風穴−猪之頭 |
コース:横浜(5:50)=(10:30)風穴−精進湖民宿村−(13:52)割石峠(14:03)−麓−(17:02)陣馬の滝−(17:45)猪之頭 前回、東海自然歩道の富岳風穴までを歩いたのは、実に4年前であった。今回ようやく重い腰があがって、その続きを歩く決心が付いた。ここまで引き延ばしてきた言い訳としては、@夏場は暑い、A冬場は寒い、Bコースが分からない、C遠い。といったものだった。@Aについては、春か秋の天気の良さそうな日にすればいいとして、Bについては、『山と高原地図』の富士山には、東海自然歩道として長者ヶ岳までしか載っておらず、その先はどのようなコース取りになっているのか分からなかった。しかしそれも25000分の1地図を買ったり、WEBで他の方の道中記を読むなどして何となくそのコースの様子も分かって来だした。Cについては、縦走なので車で行くわけにも行かず、アプローチや帰りはローカル線を乗り継ぐことになり、至極不便であったためだ。それはどうしようもないので気力で振り切るしかない。 そんなわけで、その4年間で変わったことと言えば、富士急行バスの時刻表がWEB化され、アプローチの計画をやりやすくなったと言うことだ。そして自宅から、富岳風穴までの電車バスの時刻を調べた結果、次のような乗り継ぎになった。 自宅駅=大和(6:26)=(6:40)町田(6:48)=(7:13)八王子(7:15)=(7:22)高尾(7:25)=(8:13)大月(8:15)=(8:59)富士吉田(9:05)=(9:39)風穴 実に7回も乗り換えることで、ようやくスタート地点に立つことができるのである。もちろん帰りも調べた。今回は身延線の井出駅まで二日かけて歩く予定だ。井出駅は列車の便数が極めて少ないので、事前調査は欠かせない。予定では次のようになった。 井出(17:19)=(18:11)富士(18:20)=(18:59)熱海(19:10)=(20:14)藤沢(20:20)=(20:29)湘南台(20:38)=自宅駅 ちなみに井出駅の富士方面行き時刻は、16:10、17:19、18:08、19:25、20:51、21:44となっている。14時、15時台にはダイヤがない。 今回は二日間かけて歩くわけだから、途中どこかに泊まらなければならない。初めは田貫湖のキャンプ場に泊まろうとした。しかし調べてみると、テント泊で1700円もかかるようだ。しかも今回は歩く距離が長いので、重い荷物は持ちたくない。テント泊はやめて民宿に泊まることにした。田貫湖の近くに猪之頭という集落があり、そこの民宿を予約した。 準備は整い、いよいよ出発の朝を迎えた。天気は上々で翌日までの晴れが予報されていた。予定通りの電車に乗り、順調に乗り継ぎも進んでいた。しかしその順調という言葉も大月駅で途絶えてしまった。JRから富士急行線に乗り継ぐところで乗り継げなかったのである。乗り継ぎの時間は2分もあり余裕のはずだった。しかし富士急行の改札に着いたときにはまさに列車が発車したところだった。駅員に何で連絡していないのかと尋ねると、連絡しているという。あまり問答を続けていてもらちがあかないので追及しなかったが、実際に連絡に取り残されたのは私を含めて5人ほどいた。富士急行にはもっと現実的なダイヤ編成をして欲しい。 予定していた列車に乗れないと言うことは、その後の行程にも大きく響く。次の富士急行線は19分後の8:34。富士吉田からのバスは更に遅れ、予定より50分後の9:55に乗ることになった。 今回の起点となる富岳風穴にバスが着いたのは10:30くらい。バスから降りるやすぐに歩き始めた。富岳風穴には入らずに、その左隣の道を歩く。東海自然歩道の標識があるので迷うことはない。うっそうとした青木ヶ原樹海の中をひたすら歩く。はじめはすれ違う人もいたのだが、歩き進むうちに人の気配は無くなる。聞こえる鳥の鳴き声もまばらで、心なしか迷い込んできたような鳴き声なのは気のせいだろうか。 1時間ほど樹海の中を早足で歩くと精進の住宅地に入り、精進湖民宿村というバス停の前を通過する。住宅地を抜けると再び樹海の中に入る。前方を2人の人が歩いていて、自然歩道整備の方だろうか、僕が追い抜くと、こんな所を人が歩いていると、ずいぶん驚かれた。 国道139号の下のトンネルをくぐり、城山の登山口がある。武田最前線史跡とある。このあたりは城趾のようだ。このあたりの自然歩道は山を巻くだけで、しばらく平坦な道が続く。 【本栖湖と富士】 自然歩道のコースから精進湖は見えなかったが、本栖湖は湖畔がコースとなっている。富士の眺めも良い。 車道を横切るところに北の山というバス停がある。そこを過ぎると本栖湖の湖面が見えてくる。遊覧船も運航されているようだ。広い湖の対岸からの放送が良く聞こえる。本栖湖の無料駐車場には売店があるが、食料等(パン)を調達するにはここは貴重な場所となる。この後売店はない。 自然歩道は竜ヶ岳登山口の方へ向かう。この山も登るわけではなく、巻くことになる。次に道標は割石峠を目指す。道は今回初めて上り坂となる。峠を目指すからには当然そこがピークなのだろう。やがて道は不明瞭になってくる。そして極めつけは池を渡す橋で、それが倒壊していた。倒壊しつつも渡ろうと試みたが、危なそうなのでやめた。その池は迂回できそうもなく、来た道を戻って国道139号に出ることにした。 【自然歩道寸断】 池に架かる橋がめくれあがっていた。半分ほど歩いてみたが、その先は不安定で渡れそうにない。 このあたりは四駆車の競技会か何かがあったのだろうか、道というか地面は荒れ放題で、至る所にわだちがあり、水たまりもできている。そしてBRIDGESTONEとプリントされたビニールテープが散乱している。縦横無尽にできた、そのような道を進んでいき、国道139号に出ることができた。 【根原からの富士】 広い草原の先には富士山が。ここでしばらく座り込んで休憩した。 国道の路側帯を歩いていると、すぐに割石峠となった。ここが山梨県と静岡県の県境となる。すなわち、東海自然歩道の維持管理も山梨県から静岡県へとバトンタッチされるのである。山梨県側の入口には東海自然歩道の真新しい看板が掲げられ(古い看板は横たわっていた)、根原入口となっている。ちょっとした芝生の広場になっていたので、ここで少し休憩した。 割石峠から自然歩道は山に沿って回り込んでいくのだが、先ほどの時間ロスを回復するために、ここは少しショートカットをすることにした。国道をそのまま歩き、根原のバス停から根原分校の脇を通り、A沢貯水池へ向かった。 A沢貯水池から自然歩道に復帰し、良く整備された道を歩く。そういえば、静岡県に入ってからやけに道が良くなっている。道標も分かりやすく親切だし、休憩用のベンチや綺麗なトイレも要所要所に設置しているのである。しばらく歩くと、目の前に吊り橋が見えてきた。これも自然歩道御用達の根原吊橋だ。一度に5人以上渡ってはいけないこの橋は、良く揺れる。 迂回路との分岐は草原状になっており、富士山がよく見える。遠くでパラグライダーが浮かんでいるのも見える。迂回路は雨天時の道らしく、国道の方へ向かっている。本道は山沿いに進む。再び迂回路と合流するところには東屋がある。 東屋から30分ほど西の方へ歩くと麓と言うところに出る。ここは自然歩道の基点でもあり、案内板がある。トイレもあるので、ここで顔を洗う。先ほどから汗が目にしみていたのである。麓から自然歩道を離れて少し山の中へはいると不動の滝がある。余力があれば行ってみたいところだが、すでに疲れているので、先に進む。 麓から自然歩道の道標は、陣馬の滝を目指すようになる。アスファルトの道から右に折れ、林道を歩いていると再び吊り橋が見えてくる。先ほどのより大きめだ。その吊り橋をよく見ると、その中央部分に何やら動くものがある。熊だろうか。吊り橋にたどり着いたら、その動く物体の正体が判明した。なんと人間の男女が橋の中央で重なり合っていたのである。僕が吊り橋に一歩踏み入れて橋が揺れると、その2人の人間は自分たち以外の人間の気配をようやく察知したのか、起きあがるや一目散に去っていった。 【陣馬の滝】 猪之頭の陣馬の滝。自然歩道のコースからそれほど離れていないので立ち寄った。 砂利道をまっすぐ南下し、井之頭中に突き当たる。中学校を回り込み、道標に従い歩いていくと、ベンチと案内板がある。陣馬の滝はこのあたりにあるはずだ。どこかと探したら、陣馬遊歩道の先にあった。滝はそれほど大きなものではないが、幾筋も流れていて、ミニ白糸の滝のようだった。 このあたりはすでに猪之頭の集落なので、民宿も近いはずだ。電話をして場所を確認した。民宿に行く途中、遠照寺に立ち寄り、太鼓石を拝見した。何でも源頼朝がこのあたりで陣を張り、夜中に滝の方から太鼓の音が聞こえるので滝壺を探らせたところ、この石が出てきたそうだ。実際に中が空洞の石であるこのような伝説が残ること自体も面白い。 【太鼓石】 伝説通りに太鼓のような石である。 富岳風穴から歩くこと7時間あまりでようやく民宿に到着。山歩きは慣れているが、この日は平地ばかり歩いているので足の裏が痛くなっていた。明日に影響がなければいいが。 「猪之頭−井出駅」へCamera:SONY DSC-U30 |
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