日本百名山薬師岳 |
歩行データ:距離 6.0km、標高差 626m、登り 行き646m(666m)、下り 行き20m(666m)
北アルプス三日目は薬師岳を目指す。薬師峠からは半日コースだ。昨日のように早朝に出発する必要はないが、早めに行動した方が都合が良いことは言うまでもない。しかし我々が出発する頃には、まわりのテント群は半分ほど撤収されていて、それぞれの目的地へ出発した後だった。 テン場のすぐ裏手の樹林帯に登山道が続き、石が転がる道を登っていく。近くに沢があるのか、沢の音が聞こえる。ひとしきり登って振り返るとテント場が見下ろすことができ、太郎平に続く稜線の登山道がうねうねと伸びているのが分かる。谷筋に溜まった石のような場所をしばらく登り、樹林帯を抜けると様々な高山植物が咲いている。それらをいちいち写真に撮りながらのんびりと歩く。 【1.ガレ場を登る】 このあたりは花が多く咲いている。 薬師峠から登ること30分あまりで突然目の前に原が広がる。薬師平である。木道を歩いていくと周囲の山並みが見えてくる。正面には朝日を浴びる槍ヶ岳の勇壮な姿、その右の方にある黒部五郎岳も存在感たっぷりだ。 木道が終わり道は砂礫の稜線歩きとなる。ゆっくりとした登りで周りの眺望や足下の高山植物の花々を楽しみながら歩く。目の前にはなだらかな稜線が続き、薬師岳の山塊が見える。
【4.薬師岳稜線】 まだ日は完全に昇りきっていない。影と日向の境界線は急速に近づいてくる。 砂礫地帯の広い場所で休憩する。 赤い屋根の薬師岳山荘が見えてくる。山荘手前に御影石の碑が立っている。薬師岳の圏谷群(カール)が特別天然記念物だという。カールは南北アルプスと日高山脈、中央アルプスにもあるが、天然記念物として指定されているのはここだけだそうだ。薬師岳の特徴は東側の稜線にそって圏谷が四つ並んでいる地図にも金作谷カール、中央カール、南陵カールと三つまで名前がついている。 【5.薬師岳山荘】 【薬師岳山荘】 収容人数:60人 宿泊料金:1泊2食/8400円,素泊/5500円 水場無し 営業期間:7月上旬-10月中旬 薬師岳山荘の前には食事メニューの板が立てかけてある。この山荘は水がないはず(天水)だが、太郎平小屋よりメニューが豊富である。なかでも「牛丼800円卵つき+100円」というのが気になった。もちろん腹が減っているからである。しかし無情にも仲間はどんどん先へ進むので、山荘は通過するだけとなった。 薬師岳山荘から山頂までは約50分、標高差225mとの指導標がある。馬の背のような稜線を歩く。途中稜線を巻く道と稜線を歩く道とに分かれる。 【6.ガレの急坂】 薬師岳最大の難所。荷が軽いとはいえ自らの体重を持ち上げるのも応える。 ほとんどの人は稜線ではなく稜線西側のトラバース道を進む。その方が登りが少ないからだろう。しかし、稜線コースの方が眺めが良いはずだ。稜線コースを上っていった。 避難小屋だろうか、小さな石の小屋がある。天井は無い。雪が降ると埋もれてしまわないのだろうか。 【7.愛知大遭難碑】 愛知大遭難碑のケルン。折立の十三重塔、そして薬師平にも同様のケルンがあった。ちょっと過剰。 【8.特別天然記念物の圏谷群】 薬師岳の圏谷群は1952年に指定された国の特別天然記念物。圏谷群とは氷河の侵蝕作用によってできた広い椀状の谷のことで、いわゆるカールのこと。 山頂手前の稜線景色が良く歩く人も少ない。パノラマ写真を撮るには絶好のチャンスだ。足元の良い場所で、ぐるり360度のパノラマ写真を撮った。その間にも仲間はさっさと山頂へ行ってしまった。 【10.薬師岳山頂】 薬師岳山頂(2926.0m)。祠があり、中をのぞくと黄金の薬師如来像が厳かに祀られている。 山頂からは富士山がはっきりと見えるではないか。調べてみると距離は163km、方位138.7度となっている。これまでで最長距離かと思ったが、御嶽山から見たことがあったので、最長ではないだろう。世の中には遙か遠くから富士山の撮影に成功している人もいるが、それには遠く及ばない。 【11.テン場へ帰還】 行動時間5時間で薬師平のテン場へ戻ってくる。しかし、少し休憩して、このまま下山する稲吉さんと太郎平小屋へ向かう。 【12.生ビールの待つ太郎平小屋】 20分かけて太郎平小屋へ行くのは、生ビールを飲むためである。ついでにラーメンも食べる。
続きCamera:Panasonic DMC-FX9
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