|
富士山-日本百名山 富士山-日本百名山 御殿場口ルートまさかの標高差2250m 御殿場口ルートまさかの標高差2250m 【目の前の果てしなき山頂】
コース(タイム)駐車場(6:37)-(11:23)七号目日の出館-八号目-(14:20)富士山(14:41)-(16:07)七号目-(17:13)駐車場
《山概略》
《富士山へ》 登山口には知人も来るはずだったが、待ちきれずに先に行くことにする。長い道のりである、ゆっくり歩いていれば、いずれ追いついてくるだろう。第三駐車場は少し低い位置にあり、車道を少し登ると第二駐車場がある。そしてその先に登山口がある。トイレもあるので、一応搾り出しておく。 御殿場口と扁額のかかる鳥居をくぐり、出発である。目の前には富士山の山頂が見えている。近いようで遠いゴールだ。道は黒い砂地で、かつて富士山が吐き出した噴石なのだろう。これが山頂近くまで続く。 富士山頂を示す最初の道標があり、山頂まで10.5km、410分とある。距離はたいしたことはないのだが、時間の方は思わず計算すると、約7時間ということになる。登りだけでこの時間というのは普通の登山ではあり得ない。果たして山頂にたどり着けるのか自信はなかった。 しばらく緑に囲まれた中を歩いたが、やがて黒い砂漠の斜面をひたすら歩くようになる。砂はずるずると滑り、登る効率はあまり良くない。登山者は少なく、前の方にぽつぽつ歩いている人が見られる程度だ。
20分ほど歩くと大石茶屋という最初の茶屋がある。まだ早いのでここは休憩することなく通過する。富士山が初めての人はここで金剛杖を買うと良いだろう。 目の前の山頂に向かって歩き続ける。山頂手前にふくらんだ部分が見えるが、宝永火口のようだ。御殿場口ルートは宝永火口の近くを通るコースだ。しかしながらこのコースは人が少ない。広大な斜面の登山ルートにはぽつぽつとしか人が見られない。すでに降りてくる人も見られるが、ご来光は拝めたのだろうか。 単調な登山ルートが続き、特にランドマークも無いため、どれほど歩いたのかよく分からない。次郎坊という道標を通過し、標高2000m地点を通過する。このようなマーキングがあるところでは必ず人が休んでいる。
遮るもののない炎天下の下で歩いているが、意外と暑さはない。高度のおかげで気温は高くなく、弱い風が心地よい。途中何度か砂の上に腰を下ろし休憩する。携帯で知人と連絡が取れ、30分遅れで(というか、自分が30分早い)登って来ているようだ(後に知人の連れが体調不良で彼らは撤退することになる)。 登り初めから5時間弱でようやく山小屋が見えてくる。七合目の日ノ出館だが、なんと休業中。トップシーズンに営業しないとは廃業だろうか。その少し先の七合四勺にわらじ館があり、そこは営業していた。ペットボトルは1本500円で売っている。
御殿場ルートは山小屋が少ないが、一番の問題はトイレである。長丁場の行動になるので、必ずトイレには行くことになる。しかも1回三百円かかるので、何度も行くのはもったいない。効率よく1回で済ませたいものだ。 標高3000メートルを超えると、かなりバテてきた。山小屋や休業中の山小屋があるたびに腰を下ろして休憩する。歩くスピードは亀のように遅くなり、後ろから来たトレイルランナーが何人も追い抜いていく。この人達はいったい何者だろうかと思ってしまう。自分の体力がないのだろうか。
八合目が近くなると地面の色が赤くなる。山頂まで1時間30分の指導標を見ると少し安心する。すでに6時間は歩いているのだ。山頂直下はジグザグのつづらとなり、最後の体力を振り絞って登っていく。ガレ場の奥に鳥居が見えて来ると、もう山頂は目の前である。 登り初めから7時間43分でようやく御殿場口の山頂に到着。いきなり郵便局が出迎えてくれる。その名も富士山頂郵便局。ポストもちゃんとある。郵便局の奥には富士の火口が口を開いている。火口壁にはまだ雪が残っている部分もある。火口はお鉢巡りができるが、一周回ると1時間以上時間がかかる。体力的には回れそうだが、すでに時間が遅くなっているので、その余裕はない。浅間大社の方へ行き、剣ケ峰の見える岩の上で少し休んでから下山することにした。
下山開始は3時少し前で、明るい内に下れるか心配した。しかしそれは杞憂に終わる。下りは大砂走りという高速ルートがあり、まさに駆け下るためのコースが用意されているのだ。下りはじめは登りと同じコースを歩き、七合目からは下り専用の道となる。そしていよいよ大砂走りへ。急斜面の直線コースである。ここで砂塵を巻き上げながら下ることになる。何人も追い抜いたが、走らない人が多いようだ。
下りは登りの3分の1の時間しかかからなかった。登りはバテバテだったが、下りは全く疲れもなく、むしろ元気になっている。今回は行動時間10時間以上で、標高差2400mを何とか登り切り、山ヤとしての面目を一応保つことができた。 空きの目立つ駐車場に到着し、温泉は定番の御殿場温泉会館へ向かった。湯船から富士が見える温泉だが、富士は雲に覆われていた。
Camera:NIKON COOLPIX P300、CANON EOS Kiss X6i
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |
ホームに戻る |