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三本杭-日本三百名山

三本杭-日本三百名山

シャクナゲの稜線から滑床へ

シャクナゲの稜線から滑床へ

【三本杭山頂】

三本杭山頂

山行情報
日程 2016年5月2日(月)
山名(山域) 三本杭(西日本
入/下山地 万年橋
メンバー 単独行
行動時間 5時間23分
歩行
距離
登り
下り
歩数
12.1km 1200m 1200m 23,100歩
三本杭マップ

コース(タイム)

万年橋(06:12)-(07:23)御祝山-(08:30)三本杭(08:58)-(09:22)熊ノコル-(10:04)奥千畳敷-(11:35)万年橋

 《山概略》
 三本杭は四国山地の西部にある愛媛県の山。藩政時代に宇和島藩、吉田藩、土佐藩がそれぞれ立てた三本の境界標柱があったことからその名になったようだ。実際の境界は、三本杭の南400mにある横ノ森山頂にあったらしく、杭もそこに立っていたそうだ。
 三本杭を登る理由は、日本三百名山であるからで、前回四国へ来たときもこの山を鬼ヶ城山方面から登るつもりだったが、時間があまりなかったので延期にしていた。今回は時間の余裕があるので、滑床渓谷からの周遊コースでのんびり歩くことにした。

 《アプローチ編》
 前日は愛媛県のマイントピア別子を観光するなど休息日で、その日は宇和島のビジネスホテルに泊まっていた。翌早朝ホテルを出発し、国道320号を回り込んで滑床渓谷方面へ車を走らせた。国道から県道に移り、四国特有の狭く恐ろしい道になるかと思いきや、意外と走りやすい道が続き、そのまま滑床渓谷の駐車場にたどり着いた。トイレもある広い駐車場で、先客は数台だけだった。


滑床渓谷の駐車場
【滑床渓谷の駐車場】
   万年橋の手前が登山口
【万年橋の手前が登山口】


 《三本杭へ》
   駐車場のすぐ隣に流れる川が目黒川で、このあたりは滑床渓谷と言われている。緑に囲まれた清流で、この川は四万十川となり、最後は土佐湾に流れている。沢の流れを聞きながら駐車場を出発し、走ってきた車道を奥の方へと歩くと万年橋がある。その橋は渡らず、手前の左手に三本杭の登山口と遊歩道の入り口がある。この登山口から登り、遊歩道の方から帰ってくる周遊コースを歩くことになる。

御祝山へ向かう
【御祝山へ向かう】
   展望のない御祝山山頂
【展望のない御祝山山頂】

 万年橋の登山口にはクマ注意の看板はない。四国にはクマはいないのだろうか。登山道は山の斜面を斜めに登っていく。少し登ると植林帯になり、古い林道を横切りながら道が続く。道ははっきりしているが、途中、御祝山と書かれた指導標がある。そんなピークがどこにあるのだろう。手持ちの地図(国土地理院ベース)にはそのような記述はない。道が分かれて、細い御祝山方面の道に進むべきかどうか悩んでしまう。後から分かるのだが、三本杭に行く途中に御祝山は必ず通過するピークなのであるが、地図にないピークを指導標として立てるのは理解に苦しむ。
 しばらく登り続けると、御祝山・三本杭と併記した指導標があるので、ひとまず安心する。稜線が近くなるとシャクナゲの花が多く見られる。急坂を登り続け、かなり汗をかいたところでシャクナゲに囲まれた展望のない御祝山のピークに到着する。

シャクナゲが出迎える
【シャクナゲが出迎える】
   癒されるブナの森
【癒されるブナの森】

 今回のコースは御祝山までが苦しいが、その後は楽なものである。三本杭までは緩やかなアップダウンの稜線歩きである。シャクナゲは御祝山の周りだけで、御祝山から離れるともう見ることはなくなる。稜線は終始樹林帯で、眺望はない。シャクナゲの次はブナの森の中を進む。

三本杭山頂が見えてくる
【三本杭山頂が見えてくる】
   鹿除けの柵が三か所
【鹿除けの柵が三か所】

 横ノ森(当時の三本の杭はここにあった)のピークを通過するとようやく眺望が開けて、正面に盛り上がった小山の三本杭のピークが見えてくる。三本杭の鞍部まで降りると柵があり、扉を開けて通過する。ステンレスでできた立派な扉である。柵は鹿の食害からの対策である。柵は三度通過するので、ずいぶん厳重である。

三本杭山頂
【三本杭山頂】
   滑床渓谷へ下る
【滑床渓谷へ下る】

 三本杭への登り返しも大した登りではなく、緩やかである。かなり手前から山頂に一本の杭が見え、そこに到着すると三本杭と書かれているのを確認する。標高は1225.7mで一等三角点(滑床山)がある。眺望は360度の大展望である。天気は良かったが、遠く方は霞んでいたので遠くまで見ることはできなかった。山頂には誰もおらず、360度のパノラマ写真を撮ることができた。GoogleMapにアップしたので見ることができるはずだ。

柵に挟まれた道を進む
【柵に挟まれた道を進む】
   滑床と並行して進む
【滑床と並行して進む】

 山頂で少し休んでから、滑床渓谷の方へ降りていく。先ほどの鞍部まで戻り、右手の稜線を歩く。鬼ヶ城山方面から歩いてきた登山者とすれ違うが、道が分かりにくいとぼやいていた。林道でかなり上の方まで車が入れる登山口からのコースだが、そこから三本杭へ登ってくる人の方が多いようだ。
 四辻となっている熊のコルという場所に到着。熊という文字が気になるが、ここから奥千畳と書かれた右手に降りていく。奥千畳という地名もまた分かりにくいが、方角的に滑床渓谷に降りていく道だ。熊のコルから両サイドを柵に囲まれた道がしばらく続く。

豪快な雪輪の滝
【豪快な雪輪の滝】
   遊歩道を歩いて戻る
【遊歩道を歩いて戻る】

 滑床渓谷までの下りは、沢を徒渉するところがある。ロープが張られていて、そこを通過するときだけ多少緊張する。そこを通過すると、やがて左手に滑床渓谷の本流が見えてくる。道は渓谷に沿って続く。滑床渓谷は、その名の通りナメが続いている。真夏の沢登りは気持ちが良さそうだ。
 奥千畳を通過し、指導標は千畳敷を示すようになる。その千畳敷まで行き、広い岩の沢の側に座って昼食休憩にした。昼食は宇和島のコンビニで買ったおにぎりである。食事を終え渓谷沿い歩きは続く。結構長い距離だが飽きることはない。後半は遊歩道として道が良く整備されているので歩きやすい。対岸に渡る橋もあり、両岸で遊歩道があるようだ。
 右手に大きな雪輪の滝が見えてくる。ナメの斜面を幅広く滝が落ちている。少し登ったところに滝見の展望台があり、そこへ行くと見やすくなる。大滝の次は百岩と言うところがあり、ナメから一変して岩だらけの沢となる。沢沿いの道は1時間以上続き、万年橋の三本杭登山口に合流する。駐車場へ戻ると車はほとんど増えてなかった。駐車場は万年橋の先にもあったので、そちらの方が駐められていたのかもしれない。いずれにしてもそれほど訪れる人は多くない、すばらしい滑床渓谷と三本杭であった。
 下山後は西予市まで移動してから温泉に入り、その日のうちに九四フェリーで九州入りした。

付近の山 篠山(2015.5.1)

立ち寄り湯情報
 
クアテルメ宝泉坊★★★★
場所:愛媛県西予市城川町高野子46(TEL: 0894-83-0200)
泉質:低張性弱アルカリ性冷鉱泉(泉温17.3度、ph7.8)
料金:500円・時間:10:00~22:00
休館:火曜日、食堂:有、露天:有
Camera:CANON EOS 80D

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