|
TOP > 山梨百名山 >貫ヶ岳
貫ヶ岳-山梨百名山 貫ヶ岳-山梨百名山 ヒルの洗礼、道は不明瞭 ヒルの洗礼、道は不明瞭 【草ぼうぼうの貫ヶ岳山頂】
コース(タイム)中沢公民館(8:18)-(9:50)貫ヶ岳-(10:29)晴海展望台(10:47)-(12:12)中河内峠-(13:30)中沢公民館
《山概略》
《貫ヶ岳へ》 駐車場の前の道を左手に行くと正面に見えるのが中沢公民館である。公民館にはトイレがあり、ハイキングの案内板がある。案内板といっても至極簡単なもので、何となく山があり、何となく登山コースが引かれているという程度だ。公民館の横の道が山に続く道となってる。車が一台通れる程度の舗装道を歩き、竹林と墓地を通過する。 植林帯に入ると道は荒れてくる。植林はよく手入れされているようで、枝打ちされた杉が真っ直ぐ高く伸びている。やがて右手に中沢登山口の標識があり、山道が始まる。標識にはヘビやヤマヒルに注意しましょう、と書かれている。あまり気にも留めなかったがこのあと本当に注意しなければならない事態に陥るのであった。
山道はあまり歩く人はいないのだろうか、道ははっきりしているのだが、落ち葉や枝で埋まり、蜘蛛の巣も道を横切って多数作られている。枝を振り回しながら歩くことになる。そして、足首に違和感を感じ、ふと見てみるとヒルがへばり付いていた。靴にも数匹が取り付き足を目指して登ってきているではないか。普通に歩いていて足にヒルが取り付くとはどういうことだろう。沢登りをしていて手足にヒルが付くのは理解できるが、止まることなく歩き続けていて付くのは理解できない。恐るべき生命力である。とにかくこのヒルの巣窟からは早く脱出しなければならない。まずは取り付いたヒルを排除して、さらに早足で歩き続けた。 早足で歩いてもヒルは容赦なく足を登ってくる。数分おきに足をチェックしてはヒルを取り除く作業が続く。この日はヒル対策グッツを持ってこなかったのが悔やまれた。強力防虫スプレーや塩水である。スパッツは持ってきていたがザックの中だ。今さら付ける余裕はない。
突然20mほど目の前に黒い生き物が現れた。今度は熊か!と思ったが、よく見るとカモシカだ。こちらをじっと見ている。すかさずカメラを取り出し写真を撮ったが、薄暗い中を望遠で撮ったためぶれてしまった。写真を一枚撮っただけでカモシカはどこかへ去っていった。この間10秒ほど立ち止まったため気になるのは足もとのヒルである。とりあえずは大丈夫だったようで先を急いだ。 ぜーぜーあえぎながら尾根をハイペースで登り、稜線にたどり着いた。貫ヶ岳頂上まで15分の指導標がある。ここまで来るとヒルは心配ないだろうが油断は禁物である。相変わらず蜘蛛の巣を排除しながら進んだ。
急登は山頂直下まで続き、ようやく貫ヶ岳山頂に到着する。山頂は山頂らしくなく、草が伸び放題で藪になりつつある。山梨百名山の標識は倒れていた。ベンチなどもなく眺望もない。これでは休憩もできないではないかと思いつつ、最初は立ったままおにぎりを食べお茶を飲んでいたが、意を決して草地に座り込み、スパッツを着けることにした。まず足を点検すると、やはり数匹のヒルがいた。そして靴下が血で染まっている。
山頂は長居するような場所でもなく滞在は5分あまりで出発した。来た道を戻り、先ほどの分岐を直進した。雑木林の中を気持ちよく歩いていると視界が開け、晴海展望台にでる。晴海展望台は標高929mで貫ヶ岳より高く、この日の最高所だ。ベンチがあるのでようやく落ち着いて休むことができた。目の前には富士山と愛鷹山が見える。富士の方は上半分が雲に覆われている。富士のすそ野は愛鷹山を経て伊豆半島の方まで続いているようだ。 ベンチで休んでいると樽峠方面から2人組が登ってきた。富士吉田から来たそうで、北斜面はヒルはいなかったようだ。高ドッキョウと貫ヶ岳をピストンし、その後白鳥山にも行くとのことだ。
晴海展望台からさらに西へ向かうと十国展望台がある。ここからも同じような眺望が見られた。今回のコースで展望が得られたのはこの2ヶ所だけである。十国展望台の少し先に平治の段という分岐があり、左手の中河内峠方面へ向かう。少し歩くと道にテーブルのようなものが置かれている。近づいてみると方位盤だった。眺望が全くないところに方位盤があるのも不思議だ。
道は稜線から離れ尾根の下りになる。笹が生い茂りしばし道を見失いそうになる。よほど人が歩いていないのだろうか、GPSでときどき確認しないとあらぬ方向へ進んでいきそうだ。なんとか藪地帯を突破し、植林帯に入るとわかりやすい道に変わった。中沢峠に到着するとチェーンソーの音が聞こえてくる。近くで山作業が行われているようだ。この日は人に会うことが少なかったので、人の気配だけでも何となくホッとする。峠には地蔵や水源涵養林の大きな掲示板がある。中沢峠から左手の中沢登山口方面へ向かった。
中沢登山口までは沢沿いの道を下る。ほとんどが植林帯で、沢に架かる橋も杉の丸太を束ねたものだ。再びヒルに警戒しながら歩き、休憩は一度だけ沢にある岩の上でとった。中沢登山口には公民館で見た案内板と同じものが立っていた。そこからしばらく林道を歩き、大きな堰堤の前を通過する。林道には車止めがあったが、そのすぐ手前に道を補修した跡があったので、一時的なものかもしれない。 中沢の集落へ入り、里の風景を楽しみながら公民館へ向かった。この辺りは携帯(SB)が圏外だ。公民館近くの駐車場まで戻ると地元の人がヘリポートで農作業をしていた。 立ち寄り湯は新稲子川温泉ユー・トリオへ。中沢は携帯電波が入らないので、場所は国道近くまで移動してから確認した。高速とは反対側になるが、時間は10分あまりのところだ。 ユー・トリオは老人達の憩いの場。大広間では毛布をかけられた老人達が並んで昼寝をしていた。まさに幼稚園で見かける老人版だ。 広い温泉に入り、大広間の座椅子でくつろいでから帰宅の途についた。不思議なことに横浜ICまで渋滞は全くなかった。119kmを1時間半かからずに走ることができた。
Camera:CANON PowerShot S100
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |
ホームに戻る |