|
九鬼山 - 山梨県
花と忠治ソバの山歩き | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コース(タイム)禾生駅(8:45)−(10:32)九鬼山−(13:27)神楽山−(14:40)猿橋(15:40)−(16:02)猿橋駅
ホリデー・パス 2,300円(通常:2,900円)+富士急行290円
●横浜 |06:36発 JR京浜東北線 ○東神奈川 |06:40発 JR横浜線 ○八王子 |07:38発 JR中央線 ○高尾(東京) |07:46発 ↓大月 富士急行 |#08:44着 ■禾生着 山梨百名山の九鬼山(くきさん)は、ガイドブックでコースが紹介されることは無く、2万5千分の地図にも猿橋駅からの登山道は記載されていない。わりとマイナーな山であるが、訪れる人は決して少なくない山である。肩書きとしては、山梨百名山、秀麗富嶽十二景となっている。 高尾駅で珍しい河口湖行きに乗り換えるのだが、八王子からの長い編成の後の方の車両に乗っていたため、6両編成の短い車両まで、ホームを前の方へ歩くことになった。富士急行線に乗り入れているこの列車には多くの客が乗り込んだ。目的の駅まで1時間ほど乗車するので、混んだ車内で立ちんぼうはつらいなと思っていたら、大月までの各駅で乗客は次々に降りていった。そして富士急行線となったときには乗客はまばらで、さながら赤字路線である。ちなみに大月駅で六両編成から三両編成へとさらに車両が減らされた。車両の減り以上に乗客の減りの方が大きかったようだ。禾生駅で降りたのは5人ほどで、みな九鬼山へ向かうことになる。 壬生駅前の道をおもむろに歩き始め、しばらくしてから地図を確認すると道を間違えていた。交差点を左折するところを直進していた。すぐに引き返し右折する。交通量の多い車道沿いの歩道をしばらく歩くと右手に用水路があり、大量の水が流れている。人間が流されないためか、網で水路の上部が覆われていた。しばらく歩くとその用水路が水路橋に続いていたことが分かる。振り返ると桂川に架かるアーチ形の煉瓦造りの橋が見える。 【落合水路橋】 川の上を水が流れる水路橋。駒橋発電所で使う水を供給している。登録有形文化財。延長56m、幅8.5m、煉瓦造アーチ橋。 車道の落合橋を渡ると九鬼山の指導標がある。それに従い右の方へ進む。回り込んで水道橋へ近づく形になり、煉瓦アーチの下をくぐる。水道橋の説明があり、それによると1907年(明治40年)に水力発電用の水を供給するために建設されたとある。今でも水が流れているので、発電で使われているのだろう。 住宅地から離れ、九鬼山への道が左右に分かれる。左手が愛宕神社コースで右手が杉山新道である。杉山というと花粉の攻撃にさらされる恐れもあったが、Chifuさんは以前愛宕コースを歩いたと言うことで、杉山新道へ行くことになった。 道祖神地蔵の並ぶ前のアスファルト道を歩いていくとすぐに山道へと変わる。白や黄色、紫の色とりどりの花が道脇に咲いていて、写真を撮りまくるためかなりの遅いペースとなる。 右手には沢が流れている。その沢を一度渡る。スミレを中心とした花が続き、弥生峠を通過する。 リニア見晴台と言う場所に到着。眼下にリニアの軌道が見えるが、高川山の山腹に突き刺さっている。その高川山の左側斜面はゴルフ場になっているようで木々の伐採跡が痛々しい。以前高川山を訪れたとき、帰りがけにリニア実験センターを訪れたことがあった。未だにリニアの営業運転は行われていないが、先日JR東海が自前で開業する計画を発表していた。 【リニア見晴台】 正面に高川山が見え、その山腹をリニアの軌道がが貫いている。 杉山新道と言う名前の割には、それほどスギがあるわけではなく、雑木林が中心だった。富士の見えない富士見平を通過し、九鬼山の頂上(970m)に到着する。 この日は春霞だろうか、雲も多く見通しがよくない。山頂からは北側が開けているので、奥多摩方面の山なみがかろうじて見えている。秀麗富岳12景の風景は見ることができなかった。崩れて傾いたテーブルに座り、早めの昼食を取り休憩した。
札金峠からの登り返しの道は赤テープでふさがれたようになっていたが、かまわずに突き進んだらそのうち道はなくなった。尾根の登りなので、とにかく高い方を目指してヤブをかき分けながら急な斜面を強引に登った。尾根が近くなると上の方で二人の女性がこっちこっちと手招きしている。彼女らも道を失って苦労して登ってきたようだ。尾根に出ると立派な道があった。その道が札金峠に向かっている方向から、礼金峠では少し左に行ったところに本来の道があるようだった。道を下って検証したいところだが、まだ先は長いのでその余裕はない。 今回のコースで難しいのは札金峠だけで、それ以外は道は明瞭で問題なかった。道標もところどころにある。馬立山(797m)を通過し、沢井沢ノ頭(740m)も通過。稜線歩きが続くが、木が多く眺望は良くない。振り返ると木々の隙間から九鬼山の姿が見える。 御前山(730m)に到着。今回の行程で一番眺めが良いところだ。南側が断崖絶壁になっているので木が茂っていないためだ。岩の上で休憩している人が数人いた。その奥で少し休憩し、パノラマ写真を撮った。 神楽山(673.9m)の山頂は狭く、テレビの受信用アンテナが占拠している。山あいの難視聴地域へのものだろう。猿橋に向かって最後の下りを歩いた。35分ほどで車道に出る。そのまま車道を歩き、車道がトンネルに入るところで、トンネルに入らない左側の道を歩いた。里の道脇にも花が多く咲いていて、再び二人で撮影に没頭。懐かしいツクシの姿も見られた。 道は国道20号線に合流し、車が行き交う横の心細い歩道を歩く。猿橋駅は目の前に見えているがそこを回り込みように道が続いている。
20分ほど20号線を歩き、交差点を左に曲がる。さらに右斜め前の道を下っていくと目の前にややアーチ形の木橋が見えてくる。ここまで車が行き交う喧噪の中を歩いてきたのが嘘のように、美しい桂川の渓谷に架かるこの橋の周りだけは500年前と変わらない自然の風景となっている。 桂川まで下る遊歩道が続いていたので降りていった。猿橋のすぐ近くには別の三本の橋が架かっていることがわかる。ひとつは明治45年に造られた水路橋で、残りは車道である。昔からここは交通の要所だったようだ。桂川は綺麗な緑色をしていて水量も多い。いつも車で通っている道の近くにこのような渓谷があったのは意外だった。地図を見ると桂川は相模湖に注いでいるので、相模川となって太平洋に流れていくのだろう。 【猿橋】 桂川の渓谷に架かる橋脚を使わない珍しい橋。安藤広重の浮世絵にも描かれていることでも有名。昔、渡来人が猿がたくさんつながって対岸に渡る姿を見てこの橋の構造を思いつき作ったという。日本三大奇橋のひとつ(他に錦帯橋, 愛本橋)。 猿橋の目の前にある、大黒屋へ入って生ビールと忠治ソバを注文した。ビールを飲めるのは電車山行のメリットである。忠治ソバはこの店の名物で、かつて国定忠治は大黒屋を亭宿として利用していたという。ソバに馬肉の竜田揚げが添えられているのが、忠治ソバである。 http://www.navi-city.com/daikokuya/ 猿橋からは大月駅行きのバスで、猿橋駅まで戻ろうと思っていたが、タイミングの良い時間がなかったので、再び歩いて戻ることになった。ほろ酔い気分で駅まで歩き、混雑した中央線で帰路についた。
Camera:Canon IXY 910is,EOS KISS X2
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |
ホームに戻る |