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帝釈山-日本二百名山

帝釈山-日本二百名山

南会津の名峰、山頂湿原はお花畑

南会津の名峰、山頂湿原はお花畑

【田代山頂湿原からの会津駒ヶ岳】

田代山頂湿原からの会津駒ヶ岳

山行情報
日程 2011年06月18日(土)
山名(山域) 田代山・帝釈山(尾瀬周辺
入/下山地 猿倉登山口
メンバー 単独行
行動時間 5時間00分
歩行
距離
登り
下り
歩数
10.0km 923m 923m 25,563歩
帝釈山マップ

コース(タイム)

猿倉登山口(6:37)-(7:50)田代山-(9:08)帝釈山-(11:34)猿倉登山口

 《山概略》
 福島県と栃木県の県境に連なる山脈が帝釈山脈で、分水嶺ともなっている。その主峰が帝釈山である。古くから秘境であり、訪れる人も少なく、檜枝岐の守護神として祀られた信仰の山である。しかし近年では林道が延び、簡単に山頂へ到達することができる。また稜線上には湿原が点在し、田代山の山頂部分は広大な湿原となっている。田代山には避難小屋を兼ねた弘法大師堂があり、今年平成23年は開山百年を迎える。

 《アプローチ編》
 アプローチは長くなるので横浜を前夜出発することになる。東名、首都高、東北道を走り、矢板北PAで車中泊する。翌朝4時頃に起きると小雨が降っていた。天気予報では午前中は曇りのはずだが、調べた檜枝岐とは天気が違うのかもしれない。西那須野塩原ICで高速を降り、塩原の温泉街を通過、松戸原で田代山登山口の標識に従い左折する。新道沢に沿った道は途中から未舗装となり山の奥へと入っていく。ところどころで車が路駐されているが、釣客が多いようだ。
 猿倉登山口の駐車場は二ヶ所あり、手前の駐車場にはトイレがある。さらにその奥の登山口に近い駐車場まで移動した。林道自体もここで通行止めとなる。矢板北PAから2時間近くかかった。


林道行き止まりが登山口
【林道行き止まりが登山口】
   沢を渡る
【沢を渡る】


 《田代山へ》
 猿倉登山口の駐車場から林道奥の右手に登山道がある。案内板が立っているのでわかりやすい。残雪でアイゼンが必要と書いてあるが、もはや必要ないだろう。また、湿原保護のためストックの持ち込みは良くないと書かれていたが、これは読み落としてストックは持って行ってしまった。
 沢に架かる橋を渡り、新緑がまぶしい森の中へ入った。すでにいくつかの花が見られ、写真を撮りながら進む。すぐに水場の看板があり、まだ歩き始めたばかりだが、最後の水場と書いてある。右奥の方に沢が流れていて、それが水場のようだ。飲料水はあるので水場には寄らずに進む。山頂まで1.5kmの案内板を通り過ぎ、新しい花を見つけては写真に収める。

ブナの森へ
【ブナの森へ】
   田代湿原へ
【田代湿原へ】

 樹林がブナからコメツガやダケカンバに変わると遠くの景色も見えるようになる。東の方には雲海に浮かぶ高原山が、南には日光連山が見える。足もとには笹が増え、木道が現れる。木道に沿っていくと、草地が広がる。まだ山頂の湿原ではなく、小田代と言う場所のようだ。木道の脇には様々な花が咲いている。夏にはまだ早いが、今が一番花の盛りだろうか。
 木道は左右に分かれるが、一方通行で右の方へ進む。正面には草原の向こうに会津駒の姿が見える。まだ雪で真っ白だ。ここから見る会津駒は馬ノ背のような形をしており、駒の名にふさわしい白馬である。会津駒に向かって木道が続き、草原が沼地に変わってくる。弘法沼だろう。木道が突き当たったところに田代山頂(1926m)の道標がある。この辺りは高原なのでどこが山頂でもおかしくない。ここでこの日初めて先行する家族連れの登山者に追いついた。

木道にワタスゲ
【木道にワタスゲ】
   弘法沼
【弘法沼】


 《帝釈山へ》
 山頂の道標から左手の方へ進む。田代湿原から樹林帯にはいるところに水流があり、水芭蕉が咲いている。樹林帯に胚ってすぐに山小屋とトイレの小屋がある。高床式の立派な山小屋だが、あとでここが弘法大師堂であることが分かった。このときはそのまま素通りしている。

弘法大師堂
【弘法大師堂】
   弘法大師らが祀られている
【弘法大師らが祀られている】

 樹林帯の中にはまだ一部で雪が残っている。登山道には道しるべにピンクのテープが木に巻かれているが、ぼやっと歩いていると道を外れてしまう。一度後戻りする場面もあった。足もとには見慣れない、米粒のような小さな白い花がたくさん見られるようになる。この辺りでは有名なケシ科のオサバグサだ。
 帝釈山に向かって下り坂が続き、登り返しが始まる。ここまで静かな山道だったが、多くの登山者とすれ違うようになる。帝釈山の近くに馬坂峠の登山口があり、そちらから来る登山者のようだ。猿倉登山口から登るより短時間で往復できるコースである。
 山頂が近づくと岩場となり、ストックとカメラを手に持つと登りにくくなる。次々に現れる下山者に道を譲りながら岩場を越えると、眺めの良い帝釈山山頂(2,060m)に到着する。三角点の石柱がかなり浮いていて、60cmほど顔を出している。山頂は檜枝岐村と南会津町、栃木県日光市との境である。眺めが良いと書いたが、雲が広がり、かろうじて有名な山が判別できる程度になっている。会津駒や日光、尾瀬方面の日本百名山の山々である。それほど広くない山頂は人の出入りが激しく、落ち着いて休める場所もない。軽く食料を胃に流し込み、来た道を下山した。

山頂直前の岩場
【山頂直前の岩場】
   帝釈山頂上
【帝釈山頂上】

 この日の天気予報によると、午後から下り坂で雨が降ることになっていた。しかし山の天気の変化は早く10時過ぎには降り出してきた。雨は徐々に強くなり、大師堂の中に逃げ込んで少し様子を見ることにした。大師堂にはすでに多くの登山者が雨宿りをしていた。小屋の奥には弘法大師の座像があり田代山大明神らも祀られている。
 雨は止む気配がなく、雨合羽とザックカバーのフル装備で小屋を出発した。カメラもしまい込み、このあと撮影は行われない。田代湿原では一方通行の木道を右手に曲がる。下山道は田代山頂の道標のあるところは通らない。小田代を通過し猿倉登山口まで下るが、雨の中登ってくる人は多い。登山口の駐車場は8割方車で埋まっていた。
 帰りの温泉は檜枝岐村の駒ノ湯に向かった。国道352号に向かう途中にも湯ノ花温泉などあるのだが、このあたりはiPhoneの電波が入らない。旅先で情報収集ができないのは不便なので素通りした。

《登山道の花》
タツナミソウ サラサドウダン タテヤマリンドウ
 【1.タツナミソウ】
 【2.サラサドウダン】
 【3.タテヤマリンドウ】
ショウジョウバカマ チングルマ コイワカガミ
 【4.ショウジョウバカマ】
 【5.チングルマ】
 【6.コイワカガミ】
ヒメシャクナゲ アズマシャクナゲ ミズバショウ
 【7.ヒメシャクナゲ】
 【8.アズマシャクナゲ】
 【9.ミズバショウ】
オサバグサ ヤマザクラ オオカメノキ
 【10.オサバグサ】
 【11.ヤマザクラ】
 【12.オオカメノキ】
ミツバオウレン ニリンソウ ミツバツツジ
 【13.ミツバオウレン】
 【14.ニリンソウ】
 【15.ミツバツツジ】

付近の山 会津駒ヶ岳(2011.05.04)、燧ヶ岳(2011.05.05)、七ヶ岳(2011.05.03)、平ガ岳(1999.07.19)、
至仏山(2002.10.19)、白根山(1994.10.09)、男体山(1997.10.11)

立ち寄り湯情報
 
駒の湯★★★★
場所:福島県南会津郡檜枝岐村下ノ原839-1(TEL:0241-75-2655)
泉質:アルカリ性単純温泉(64.7℃ pH=8.6)
料金:500円・時間:6:00~21:00
休館:無休
食堂:無、露天:有
Camera:NIKON COOLPIX P300

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