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笠ヶ岳−日本百名山 笠ヶ岳−日本百名山 雨の合間の超絶景が完登を祝福 雨の合間の超絶景が完登を祝福 【笠ヶ岳山頂】
コース(タイム)町営駐車場(4:16)−(5:33)笠ヶ岳登山口(5:49)−(12:54)笠ヶ岳山荘(13:03)−(13:21)笠ヶ岳−(13:55)笠ヶ岳山荘(5:01)−(9:22)登山口−(10:12)新穂高食堂(10:37)−(10:46)町営駐車場=平湯温泉=横浜
《山概略》北アルプスの山塊にあって独立峰に近い形でそびえているのが笠ヶ岳である。文政6年に播髀辮lが登頂したことでも有名で、山頂にはその名残である祠が立っている。標高は2897mと3千に届かないが、登山口の新穂高温泉の標高が1000mそこそこであるから、一日で山頂に立つためにはそれなりの覚悟が必要だ。《アプローチ編》新穂高に来てから二日間雨にたたられ、その間に有明山を登っている。三日目にしてようやく快晴の好天気に恵まれた。すでにテントはびしょびしょ、食料も尽きかけていたので、山上のでテント泊はあきらめ山頂の山小屋を利用することにした。連休の最終日なので小屋が混むこともないだろうとのもくろみもあった。《笠ヶ岳へ》新穂高の無料駐車場を4時過ぎに出発。まわりはまだ薄暗い。レストラン新穂高の前を通り、蒲田川に架かる橋を渡る。この数日来の大雨で川の流れは激しく音をたてて流れている。車道を道なりに歩いて行き、車止めを越えてからは左俣林道を歩き続ける。先ほど渡った川を再び渡り、さらに渡ることになる。左手には何段も続く砂防ダムが見えるが、大量の水が滝となって流れている。【笠新道入口】 新穂高からほぼ平地の歩きがしばらく続き、笠新道の入り口がある。いよいよ笠ヶ岳に向けての急登だ。林道をこのまま直進するとワサビ平小屋があり、小池新道へと続く。以前、裏銀座縦走で下った道だ。 林道を1時間以上歩いたところでようやく笠新道の入り口に到着する。座りやすい石があるので、ここで小休止する。その間三人ほどが笠を登るために笠新道に入っていった。彼らとは抜きつ抜かれつしながら山頂で一緒になる。 笠新道の取り付きは樹林に覆われた急斜面でつづら折れが続く。丸太を割った第1ベンチを通過し、斜面に咲くヒメサユリを見つける。そして、ニッコウキスゲやゴゼンタチバナ、登るにつれて様々な花が咲いている。高度1800mを示す指導標を通過し、振り返ると穂高の山なみが見えてくる。岩屋風の第2ベンチを通過。先頭を歩くChifuさんは休むことを知らずにひたすら歩いている。標高1920mの指導標を通過。杓子平までの約中間地点と書かれている。続いて標高2100mの指導標。槍・穂高の眺めが一望できると書かれ、まさに槍から穂高、焼岳、乗鞍も見渡すことができる。すでに樹林帯から抜け出ているので太陽の強い光を浴びて緑は輝き、空は真っ青だ。昨日までの大雨が嘘のようだ。
【杓子平からの笠ヶ岳】 休憩した杓子平からトラバースの道が続く、森林限界は超えているのでまわりはもう山と空しかない。目の前に見えている笠ヶ岳も歩いて行くとまだまだ遠く、天空に向かってそびえている。右手に少し広いところがあり、多くの人が休んでいた。ここも杓子平なのだろうか、彼らは下山組のようだ。 稜線に向かって急坂が始まる。足場には岩が目立って来る。斜面にはところどころ雪渓が残っている。抜戸岳分岐の道標があり、ようやく笠ヶ岳の主稜線に到着した。標高2812mの抜戸岳はすぐ近くにあるようだが、もはや笠ヶ岳にしか興味はないので、そのピークには立ち寄らずに左手の笠ヶ岳の方へ向かうことになる。少し下ったところには数個のザックが置かれていたが、抜戸岳へ行くためのデポだったのだろうか。 【稜線からの360度展望】 稜線の出合いで360度パノラマ写真を撮った。ハイマツの森、槍と穂高の山塊、そして笠ヶ岳に向かってうねうねと稜線が続いているのが一望できる。 稜線歩きは多少アップダウンがあるものの、見通しが良く快適である。ハイマツに混じってクリーム色の石楠花が咲いていて綺麗だ。アオノツガザクラもかわいい花を咲かせている。 笠ヶ岳は、傘のように見えるので笠ヶ岳なのだろうが、この稜線から見る笠ヶ岳は山頂から右の方に長く延びたすそ野があり、傘のように見えなくもない。
【雪渓の先には山荘】 この雪渓が下の方でテン場の水場となる。目の前に見えているのが笠ヶ岳。雪渓を渡り右上の方へ行くと笠ヶ岳山荘がある。 ガレ場を登り、今回初めて雪渓を30mほど横断する。そして岩場を登っていくと笠ヶ岳山荘に到着する。山荘で宿泊の受付を済ませてから、いよいよ山頂を目指す。 《日本百名山完登》山荘から山頂までは岩場の急坂である。一歩一歩ゆっくりと登った。上空の雲はほとんど無くなり青空が広がっている。まずは祠のあるピークに到着。とりあえず下山の無事を祈願し、三角点のある奥のピークへ向かった。
【笠ヶ岳山頂からの槍・穂高】 《あこがれの山小屋泊》これまで山中泊をする場合、たいていはテント泊だった。避難小屋を除き、山小屋に泊まることは滅多になく、ましてや山小屋の食事にお世話になることはほとんど無かった。理由としては、山に行くのは自分の力で行くのであって、それが食住であっても他人に依存するわけにはいかないからである。もっともシーズン中の山小屋は混むのでとても泊まる気にはなれない、ということもある。今回笠ヶ岳山荘に泊まることになったのは、持ってきたテントが雨天停滞の幕営でずぶ濡れとなり重くなったこと、日程がずれて連休最終日の宿泊となり客が少ないであろうということからであった。 【笠ヶ岳山荘を見下ろす】 笠ヶ岳山荘(標高2,898m) 2009年開設期間:6月25日〜10月15日 1泊2食:8,800円、素泊り:6,000円、天幕料(1人)500円(山荘から約5分) 水の補給:無料(少ない場合有料) 食事前に小屋の前のベンチでChifuさんと缶ビールで乾杯した(この山小屋には生ビールがないのが残念である)。正面にはもちろん穂高の山なみが広がっている。 部屋に戻って食事の時間まで寝ころんで休んだ。部屋は8人部屋で4人しか入っていないようだ。空き部屋もあったので、この日の収容率は50%以下だったことになる。先ほど下山客に聞いたら前日はひとつ布団に2人で寝たらしいので、平日前とはずいぶん違うものだ。それにしても山小屋に泊まるのは、仕事をリタイヤしたような御老人が多いのだが、なぜ皆連休に集中するのだろうか。平日に分散して来ても良さそうなものだ。 【山荘の夕食】 山に来て食事を第三者に頼るというのはなんと贅沢なことだろう。ヘリで荷揚げをしているであろう貴重な食事に感謝しつつ頂く。ごはんと味噌汁はおかわり自由。お茶をがぶ飲みした。 食後は暇なので、小屋の廊下の本棚にあった『岳』と言う山をテーマにした漫画を読んだ。最近若者の登山が流行っているようだが、このようなマンガ本が影響していると何かで読んだことがあった。その漫画の内容は、穂高の山の中に住んでいる男が超人的な体力で遭難救助をするというものだった。漫画一冊読むのもけっこう時間がかかる。読み終わる頃には部屋の中は暗くなっていた。 部屋のそとで「ブロッケンだ!」と声が聞こえたので、カメラを持って小屋の外に出てみた。するといつの間にか穂高方面には雲が増えていて、背後の日の光を浴びてブロッケン現象が見えていた。ちょうど小屋の影に後光が差しているように見えた。 《下山》翌朝は、小屋の屋根に雨が叩きつけられているのが分かった。予報通り雨になったようだ。外に出ると小屋のまわりは霧に包まれ視界は数十bとなっていた。昨日の好天が嘘のようだった。小屋組の中ではたぶん一番のりで出発し、昨日登ってきた道を戻った。下山5時間の長い道のりである。
《温泉へ》駐車場に戻り、気持ちはもう温泉である。この日は月曜日祝日の翌日であったため、多くの温泉が休業していることが考えられた。しかし、先日入った「ひらゆの森」のパンフレットを確認すると、年中無休のようだった。平湯温泉へ向かった。
Camera:Canon IXY 910is,EOS KISS X2
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