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王岳−山梨百名山

王岳−山梨百名山

梅雨の合間に富士と南アを一望

梅雨の合間に富士と南アを一望

【雪頭ヶ岳からの富士】

雪頭ヶ岳からの富士

山行情報
日程 2011年06月04日(土)
山名(山域) 王岳(富士五湖
入/下山地 東入川堰堤広場
メンバー 大山、福島
行動時間 6時間20分
歩行
距離
登り
下り
歩数
11.7km 1485m 1485m 28,213歩
王岳マップ

コース(タイム)

根場(9:00)−雪頭ヶ岳−鬼ヶ岳−鍵掛峠−王岳−(15:20)根場

 《アプローチ編》
 以前、十二ヶ岳から王岳まで縦走しようとして、途中道を間違えそのまま下山したため王岳を登り損なっていた。そこで今回再挑戦ということで8ヶ月ぶりに根場へやって来た。前回と同じようにいやしの里の大駐車場に車を駐めた。すると関係者がやって来て、登山者はこの駐車場を使わないでくれと仰せになった。仕方がないので東入川堰堤広場まで車を移動した。広場までは1kmほどで、途中の林道は悪路だった。


東入川堰堤広場
【東入川堰堤広場】
   堰堤横の階段を登る
【堰堤横の階段を登る】

 《鬼ヶ岳へ》
 東入川堰堤広場は広く立派な登山口駐車場だが、車は一台も駐まっていない。下山時も同じだったので、ここは知られていないか人気がないのだろう。王岳や鬼ヶ岳は周遊ができる山なのでこの登山口から登っても別の登山口に降りることができる。なのでこの登山口に降りてくる必要はなく根場へ降りることになる。するとやはりいやしの里の駐車場に駐める方が便利と言うことになる。
 ともあれ、先日下山した東入川堰堤広場から登り始めた。登山口は巨大な堰堤の右の方にある。樹林帯に入るとすぐに階段が続く。登山道脇にはタニウツギの赤い花が咲いていて、この先も様々な花が期待できそうだ。案内板に従い左の方へ進む。植林帯を抜けると紅葉樹になり、足もとにも花が目立ってくる。ミツバツツジもちょうど満開だ。稜線にかけてミツバツツジが多く見られた。


タニウツギの道
【タニウツギの道】
   目の前に富士
【目の前に富士】

 ブナの原生林に入り、鮮やかな新緑を楽しみながら歩いて行く。道が尾根の登りになり、標高が1500mを越えると背後に富士山が見えるようになる。梅雨時にしては乾燥しているのか、富士はくっきりと見える。山頂付近の雪はだいぶ溶けているようだ。写真を撮ろうと富士にカメラを向けると、レンズの前をブヨのような小虫が飛び交いドット抜けのような写真になってしまう。虫が写らないよう何枚も撮り直した。

ミツバツツジが満開
【ミツバツツジが満開】
   雪頭ヶ岳
【雪頭ヶ岳】

 花の写真を撮りながらゆっくり登っていると、富士がよく見える展望テラスがあるので、そこで小休止した。富士と西湖が正面に見える撮影スポットである。この辺りは花が多い。
 富士展望テラスから少し登ると、雪頭ヶ岳山頂である。あまり山頂らしくない場所で、ここもテラスのようだ。先ほどと同じように正面に富士と西湖が見える。ここは素通りして鬼ヶ岳へ向かった。
 雪頭ヶ岳から少し進むと王岳の稜線が見え、その奥には南アルプスが一望できる。南アルプスの稜線もまだ雪が多く残っているのが分かる。甲斐駒から聖岳までほとんどの山頂が見える。新緑の王岳と残雪の南アルプスの写真は珍しいが、ここでも虫けらが多く写り込んでいて残念である。

南アルプス一望
ハシゴを越える
【ハシゴを越える】
   鬼ヶ岳山頂
【鬼ヶ岳山頂】

 鬼ヶ岳直下は岩場が続き、スリリングな道が続く。ハシゴを登って岩の上に立つと眺望は格別である。雪頭ヶ岳と富士が重なり合うように見える。道は二度ほど登り返しがあり、鬼の角のような岩がある鬼ヶ岳の山頂に到着する。ちょうど我々が山頂に到着すると同時に鍵掛峠の方から中学生集団が続々とやってきた。その数およそ100人。千葉県の南山中からで、キャンプできているようだ。山頂と鍵掛峠方面の登山道が中学生で埋め尽くされているので、しばらく待った。

王岳へ縦走
【王岳へ縦走】
   鍵掛峠
【鍵掛峠】

《王岳へ》
 中学生軍団が雪頭ヶ岳方面へ去ってから王岳へ向かった。ここからの道がようやく前回の続きとなる。前回は王岳へ行くつもりが雪頭ヶ岳へ下ってしまった。鬼ヶ岳山頂には案内板があるのでそれをよく見ておけば良かったのだ。
 稜線は歩きは緑鮮やかで花も多く、ときどき眺望もあるので快適である。しかしなかなか距離が長い。小さいアップダウンを繰り返し、ロープを伝って下る場所もある。まだかまだかと思っているうちにようやく鍵掛峠に到着する。ここから根場へ下山する道もあるが、もちろん王岳の方へ縦走は続く。

王岳山頂
【王岳山頂】
   王岳登山口
【王岳登山口】

 王岳方面には二つのピークが見えていて、手前が古沢山である。まずはこの古沢山を越えなければならず大儀そうだ。とにかく黙々と一本道の稜線を進む。古沢山のピークは特に道標があるわけでもなく、どこが山頂か分からないまま、その先の登り返しを登っていくと王岳の山頂(1623m)に到着する。鍵掛峠からは誰にも会わなかったが、山頂には7人のパーティーが先着していた。王岳からも富士が見えるのだが、休んでいるうちに雲が発生し、あっという間に富士は見えなくなった。
 手持ちの地図では王岳からの直接の下山道はないのだが、前回来たときに下山道があることを地元の人に聞いていた。山頂から少し西へ行ったところの左手に根場方面の下山口があり、そこを下った。尾根の急坂はつづらになっていて、歩きやすい。小走りに下っていると、背後で獣の気配がした。振り返ると子犬が猛然と駆け下ってきた。よく見るとリードを引きずっているので飼い犬のようだ。さらに一匹と人間二人が走り抜けていった。
 登山道から林道に出るが、林道も長い。西入川沿いの林道はやたらと堰堤が多い。昭和41年に根場地区では大規模な土石流が発生し、大きな被害をもたらしている。土石流という言葉もこの災害で知られるようになったらしい。以来この地区では、植林が進み、砂防堰堤が作られ続けたようだ。
 いやしの里の駐車場が見えてくると、先ほど雲に覆われていた富士も復活して見えるようになった。観光客の多い根場の集落を通り抜け、東入川堰堤広場に戻った。

《登山道の花》
タニウツギ ツルキンバイ チゴユリ
 【1.タニウツギ】
 【2.ツルキンバイ】
 【3.チゴユリ】
シロカネソウ エンレイソウ フデリンドウ
 【4.シロカネソウ】
 【5.エンレイソウ】
 【6.フデリンドウ】
コイワザクラ マイヅルソウ オオカメノキ
 【7.コイワザクラ】
 【8.マイヅルソウ】
 【9.オオカメノキ】
クルマバツクバネソウ ハンショウヅル ユキザサ
 【10.クルマバツクバネソウ】
 【11.ハンショウヅル】
 【12.ユキザサ】
ヤマシャクヤク ルイヨウボタン キランソウ
 【13.ヤマシャクヤク】
 【14.ルイヨウボタン】
 【15.キランソウ】
 下山後は温泉に行くのだが、富士五湖周辺は観光地のためか料金が高めである。道志まで移動していやしの湯へ入った。ここは食堂メニューも充実しているのでよく行く温泉である。おすすめ定食のサバの味噌煮(800円)を食べ、横浜へ帰った。

付近の山行記録 十二ヶ岳・節刀ヶ岳(2010.10.16)、黒岳(2008.06.14)、足和田山(2000.04.23)、三ツ峠(2002.06.01)、富士山(2008.06.28)

立ち寄り湯情報
 
いやしの湯★★★★
場所:相模原市津久井町青根844 (TEL:042-787-2288)
泉質:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉
料金:600円・時間:10:00〜21:00
休館:火曜日(祝日の場合は翌日)
食堂有
Camera:NIKON COOLPIX P300

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