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棚横手−山梨百名山

棚横手−山梨百名山

山火事の傷跡残る展望の山

山火事の傷跡残る展望の山

【火事で立木が無くなり展望が広がる棚横手】

火事で立木が無くなり展望が広がる棚横手

山行情報
日程 2010年11月13日(土)
山名(山域) 棚横手山(大菩薩周辺
入/下山地 大滝不動尊
メンバー 大山、伊達、福島
行動時間 4時間30分
歩行
距離
登り
下り
歩数
7.3km 760m 760m ----歩
280x158

コース(タイム)

横浜(5:43)=(9:17)大滝不動尊−(10:33)高尾山−(12:11)棚横手(13:03)−(14:08)大滝不動尊=大善寺=天空の湯

 《山概略》
 山梨百名山の棚横手山をネットで調べると、この山が山火事で有名なことが分かる。それも一度ではなく頻繁に発生しているようだ。最近では2009年4月11日に西側山林で発生し、91ヘクタールを消失。過去には98年3月に375ヘクタールという大規模な山火事を発生させている。よく面積の基準となる東京ドームが4.7ヘクタールなので、その被害の甚大さが分かる。
 棚横手山は甲州市勝沼町に位置し、JR中央本線の勝沼ぶどう郷駅から歩くこともできる。駅名から分かるように付近一帯はぶどう郷で、ワイナリーも点在している。

 《アプローチ編》
 棚横手山は駅から登れる山だが、温泉にはいるために車で行くことにする。橋本駅で仲間と合流し、八王子ICに向かうがいつになく渋滞している。中央自動車道も相模湖辺りまで渋滞するが、その後は順調で、勝沼ICで降りる。広域農道を経て大滝不動尊を目指す。


大滝不動尊前駐車スペース
【大滝不動尊前駐車スペース】
   林道を歩く
【林道を歩く】

 《甲州高尾山へ》
 大滝不動尊は標高が約930mのところにあり、駅から歩くよりかなり高い位置にある。駐車スペースは車止め手前の路肩になる。ここだけ膨らんでいて、狭い林道を登ってきたミキサー車の転回場所にもなっている。
 駐車場から大滝不動の赤い山門が見えている。案内板によると880年の草創で、由緒あるお寺のようだ。見学は下山してからすることにし、車止めの先の林道を歩いて行く。しばらくすると、左手に棚横手方面を示す矢印があり左の道に進む。落ち葉で埋もれた舗装道を進むと、右手に甲州高尾山の登山口がある。雑木林の中を登っていくと、稜線に出て正面に富士山の姿が見える。手前には御坂山塊があるので頭だけが見える。
 稜線を右に行き、高尾山を目指す。登山道脇の木の根元あたりが黒ずんでいるのが多いが、これが山火事の後遺症なのだろう。表皮を焼かれ炭化しつつも成長を続ける木は生命力が強い。
 標高1106mの甲州高尾山の山頂に到着する。眼下には勝沼ICや甲府の町並み、南アルプスの山並みが見渡せる。三角点はこの先の剣ヶ峰にあるようなので、そこまで移動する。剣ヶ峰は標高1091mで少し低い。剣ヶ峰へそのまま西へ下ると、大善寺まで続いているが、今回は来た道を引き返して棚横手山へ向かう。

甲州高尾山へ
【甲州高尾山へ】
   富士見台
【富士見台】

 《棚横手山へ》
 この山は人気があるようで、大滝不動尊までの林道では多くのタクシーが行き交っていた。棚横手へ向かう稜線でも多くのハイカーとすれ違う。中には10人以上のパーティーもあった。ひょっとして山梨百名山ブームなのだろうか。ちなみに山ガールはこの山には存在しない。中高年ばかりである。
 富士見台までは眺めの良い稜線歩きが続く。山肌にはススキが広がり秋らしい。途中何カ所か火気厳禁の看板がある。それに過去の山火事状況が記されている。
 平成5年4月 75ヘクタール消失
 平成9年3月 375ヘクタール消失
 平成19年4月 20ヘクタール消失
 平成21年4月 92ヘクタール消失
 山火事はつい昨年も発生している。3,4月が鬼門のようで、原因は分からないが災難な山だ。この辺りは東側の斜面が火事のために立木が一掃され見通しが良くなっている。
 林道を横切り、ひと登りすると棚横手の山頂(1,306m)に到着する。三角点があり、山梨百名山の道標もしっかりと立っている。眺望は東側だけで、山頂まで火が及んだことが分かる。丸太に腰掛け、しばらく昼食休憩とした。


林道を横切る
【林道を横切る】
   棚横手山頂
【棚横手山頂】

棚横手山を下る
【棚横手山を下る】
   木の根元が焼けている
【木の根元が焼けている】

 下山は来た道を下る。正面には富士山が見えている。稜線からの下りは、先ほど登ってきた道よりも手前の分岐で右手に下る。途中木々の隙間から大滝不動尊と滝が見えてくる。大滝の名にふさわしくかなり高い位置から落ちている滝だ。
 勝沼ECナビの森と書かれた看板の前を通り、展望台と書かれた場所に立ち寄る。祠のある展望台だが余り展望は良くない。さらに下山を続け、ところどころにお堂を見かけ、不動尊の往時の繁栄が想像できる。  道は大滝不動尊の裏手に続き、赤い本殿の横に出る。人気のない不動尊の急な石階段を下り、途中振り返ると大滝を一望することができる。さらに階段を下り、仁王門をくぐると駐車スペースに帰り着く。
大滝不動尊と大滝 【大滝不動尊と大滝】

 大滝不動尊の裏山には雄滝や髪洗滝など大小様々な滝がある。雄滝の落差は140mはあり、壮観な眺めである。山門では仁王がにらみをきかせている。


《登山道の花》
リンドウ コウヤボウキ コウヤボウキ
 【1.リンドウ】
 【2.コウヤボウキ】
 【3.コウヤボウキ】
ヤクシソウ セイヨウヤマゴボウ アキノキリンソウ
 【4.ヤクシソウ】
 【5.セイヨウヤマゴボウ】
 【6.アキノキリンソウ】
ノコンギク
 【7.ノコンギク】

 《周辺散策》
 棚横手の地図を見ていて、その麓にある国宝と書かれた大善寺が気になっていた。調べてみると、関東で最も古い木造建築の薬師堂があるようだ。下山後はそこに行くことにしていた。
 大善寺は甲州高尾山の登山口にもなっており、大滝不動から麓に降りて山を回り込むように進むと国道20号線のすぐ側にある。
 薬師堂は檜皮葺きで、大分県の富貴寺より一回り大きいようだ。お堂の中には秘仏の薬師如来像があるが5年に一度のご開帳で拝むことはできない。次の御開帳は平成25年10月1日からということだ。また、日光・月光菩薩像は修理のため京都に行っている。こちらは平成24年に戻ってくる予定だそうだ。この日お堂の中で拝めるのは蓮慶が作った国指定重文の十二神将立像である。
 大善寺から大日影トンネル遊歩道へ向かった。これも地図を見ていて気になったところだ。JR中央線の旧トンネルを旧勝沼町が譲渡されたもので全長1.4kmを歩いて通り抜けることができる。大日影トンネルの隣のトンネルはワインカーブとして利用されている。
 勝沼の観光を終え、最後は温泉で締めくくる。訪れるのは勝沼ぶどうの丘にある天空の湯である。勝沼ぶどうの丘は標高500mで、周辺より100mほど小高い丘である。甲府市が運営する観光施設で、宿泊施設やレストラン、ワインを中心とした売店、そして温泉がある。山頂に温泉があるというのは珍しく、露天風呂からは甲府盆地や南アルプスが一望できる。日が落ちたら夜景も綺麗なことだろう。
 帰りの中央道は珍しく渋滞はなく、談合坂SAで食事をし、相模湖ICで降りて橋本駅経由で自宅へ戻った。

《下山後の寄り道》
大善寺薬師堂 大日影トンネル遊歩道 『美味し彩り』甲斐の國
 【1.大善寺薬師堂】
 【2.大日影トンネル遊歩道】
 【3.『美味し彩り』甲斐の國】

付近の山 茶臼山(1997.04.12)、雁腹摺山(2008.11.02)、大菩薩峠(2007.09.16)

立ち寄り湯情報
ぶどうの丘温泉 天空の湯★★★
場所:山梨県甲州市勝沼町菱山5093(TEL:0553-44-2111)
泉質:−−(PH9.5、泉温41.0℃)
料金:600円・年中無休、時間:8:00〜22:00
その他:軽喫茶有り
Camera:SONY DSC-WX1

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